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2009年12月 Archive

1年の感謝

一年を振り返る時期になりました。
小さな手帳をめくっていると、いろいろな出会いや出来事が
よみがえってきます。「あの人は元気でいるかな」
「この展覧会は素晴らしかった」など。
  
月並みな言葉ですが、あっという間の一年でした。
同じ時間が毎年流れているはずなのに
少しずつ速度を増している気がするのは、加齢のせいでしょう。
最近は、記憶の方が追い付いていかないことも。

手帳はほとんど埋められている。
それに交じって「宝くじ」の書き込みもあった。
いつものようにくじ運には恵まれなかった。
今年最後のジャンボ宝くじも期待はずれでしょう。

多くの方たちに支えられて、今年も何とか歩き続けられました。
感謝の気持ちでいっぱいです。
来年も、岡目八目をお読みいただけることをお願いしながら
今年の最後の筆とします。
皆さん、よいお年をお迎えください。

(M.N)


挑戦

先日、NHKテレビで、アンパンマンの生みの親
漫画家のやなせたかしさんが、女性アナウンサーと
対談しているのを見た。
90歳だというが、とてもそんな年には見えない。
90歳になった今でも、絶えず新しいものに挑戦しているという。
いつも好奇心を失わず、機械でも新しいものが好きなのだそうだ。

脳科学者の茂木健一郎さんは、新しいことへの挑戦は
脳にある「前頭前野」を活性化させるといっている。
また、脳の老化防止として、面倒がらないで細かいことをする。
よく体を動かす。といったことも重要な条件として挙げている。

「年を重ねるだけで人は老いない。夢を失ったときから老いが始まる」
というアメリカのサムエル・ウルマンの詩は
老いを語るときによく引きあいに出される。
年を重ねても、好奇心いっぱいで未知への挑戦を忘れず
こまめに体を動かして、心・身ともに「青春を」を心掛けたいものである。
 
筆を若干、若者にかたむけたい。
明治という新しい時代を切り開いていく若者たちを描いた
司馬遼太郎作品の同じNHKドラマ「「坂の上の雲」はつい見入ってしまう。
不況下のデフレ、ボーナスカットと今ひとつ意気の上がらない歳末だけに
信念を持って難局に立ち向かう若者たちがまぶしく映る人もいるだろう。

若者が時代の先頭に立ったのは明治の時代に限らない。
戦後の廃虚からものづくり大国へ、高度成長を支えたのは若者たちだった。
冒険心や向上心が海外に目を向けさせた。
そして今、下を向きがちな時代だからこそ
将来を信じて海外を目指す若い人が一人でも多く現れてほしいと願いたい。

(M.N)

イルミネーター

毎年、クリスマスの時季になると、
自宅の周囲をイルミネーションで飾り
目を楽しませてくれるお宅がある。
そういう人々を「イルミネーター」というらしい。

年の瀬に不景気が重なり、気がせく割りには
前に進んでいる実感が乏しい日常だ。
とっぷりと暮れた家路を急ぐ途中で散見する華やかな点滅は
そんな気分を大いに慰めてくれる。
豆電球の明るさを通じて「イルミネーター」の
心意気が伝わってくるようだ。
 
イルミネーションは夜空に瞬く星を地上に再現しようと
木の枝にたくさんのろうそくをともしたのが始まりという。
発案者は、中世のキリスト教会を席巻した
宗教改革の中心人物として名を残すルターとも言われている。
クリスマスとは縁が深いわけだ。 

(M.N)

 

日本銀行

「銀行の銀行」などと呼ばれる日本銀行。
先日、市川ジェクト株式会社社長が見学されたようですので、
当銀行の業務について、追記させていただきます。
一般とは異なる中央銀行ですが、株式は公開され
形の上では株式会社と変わりません。
筆頭株主は財務相になっているものの、むろん政府です。

さまざまな業務で利益を上げますが
一般の企業と違うのはその行き先です。
営利が目的でないため、剰余金のほとんどは
国に納めることになっています。

景気悪化で税収が大幅に落ち込んでいる折も折り
その大事な日銀の納付金までが怪しくなってきました。
円高で外貨建て資産が目減りするなどして
2009年度上半期は6年ぶりの赤字だったようです。
このままで年度末まで推移するようなら、多くは期待できません。

そこに降ってわいた中東・ドバイの金融不安で円高が一気に加速し
株価の下落は欧州からアジア、米国へと連鎖したようです。
少しは明るさの見え始めた日本経済でしたが、
デフレの進行もあって、「二番底」に落ち込まないか心配です。

政府と協調しながら、金融政策の面から景気を支えるのは
日銀の重要な役目です。打つ手は限られてるとはいえ
何とか知恵を絞り出してほしいと願うばかりです。 
 
(M.N)

病院の待ち時間

病院の待ち時間は、短いに越したことはない。
検査で訪れた場合ならまだしも、風邪を引いたときのように
具合が悪く、横になっていたいときの診察待ち時間は、ことさら長く感じる。
大なり小なり、そんな経験をしているに違いない。
                                                             特に負担が大きいのが、子供やお年寄りだ。
10年ほど前ながら60分以上待った経験がある。
それから徐々に改善され、急患は別にして予約制の導入が進み
総合病院などには自動再来受付機が登場、手続きも早くなった。

混み具合は病院によって、季節によって異なるが
患者側のこうした思いに応える新たな仕組みが登場しつつある。
それは携帯電話を活用した待ち時間の通知システムだ。
ソフト開発も進み、すでに実用段階のケースもあると聞く。
 
患者が携帯電話から病院(フリーダイヤル)に手続きして登録する、
診察順番が近づくとその旨の連絡が届く。
患者はそれを受けて病院に、という流れとなる。

これなら待合室で順番が来るまで待ち耐える必要はない。
病院が近ければ自宅で休んでいることも出来る。
逆に、病院側にとっても待たせているという思いも軽減できる。
ソフト開発は双方に利点があると思う。  

(M.N)

流行語大賞

いまや師走恒例、今年1年間の世相を映し出す
新語・流行語大賞に「政権交代」が選ばれた。
ほかに「事業仕分け」「草食男子」「派遣切り」などが
トップテン入りした。

同賞が創設されたのは1984年だった。
受賞した「オシンドローム」「まるきん/まるび」の記憶は
薄らいでいるが、当時の社会状況がぼんやりながら見えてくる。

2009年はどんな年だったか。
政治の世界では「政権交代」のほか「小沢ガールス」
「故人献金」など期待と不安の交錯だ。

未曾有の経済危機に見舞われ景気浮揚策として
「1000円高速」「エコカー減税」が登場。
子役・加藤清史郎クン演じる「こども店長」が人気を呼んだ。
「990円ジーンズ」も重宝された。

初体験の「新型インフルエンザ」と「パンデミック(爆発的流行)」
「裁判員裁判」に募る不安。野球の「侍ジャパン」や
オバマ米大統領の「核なき世界」はうれしい話題だ。

何より気がかりなのは「派遣切り」「年越し派遣村」
に象徴された雇用問題。そして仕事と住居を同時に失う
「ハウジングプア」など貧困問題がある。

10月の完全失業率は5・1%とわずかに改善された。
しかし最近の新語・流行語大賞には「ネットカフェ難民」「格差社会」
「年収300万円」など痛々しい言葉が並んでいる。
政治がまず何をやるべきか明白であると思うのだが。

(M.N)

イライラ

今日からはや師走。
忙しくて師も走り回るという由来だけでなく
四季の果てる「四極(しはつ)」、年の果てる「年果つ」
総じまいする「為果(しは)つ」なんて由来もある月だ。
いずれにせよ、尻に火がついたような落ち着かない月が始まった。

そうでなくとも日本人は、スピードや効率を追い求め、
せっかちだと言われてきた。
身に覚えのある人も少なくあるまい。
実際、人々はどの程度でイライラしているのか
時計のメーカーのシチズンの調査から示してみる。

例えばエレベーターの待ち時間。
30秒までで半数近くが、1分で4人に3人がイライラしている。
パソコンの立ち上げも、1分で6割の人がイライラしている。
なるほど立ち上げが早いとされる「ウィンドウズ7」」が売れるわけだ。

年末にかけて出向く機会が増えそうな金融機関のATMでは
5分で7割の人がイライラ。
急用ができ、相手の携帯電話に伝言を入れたとき
返事があるまで5分で2割、10分で4割強の人がイライラしていたとのこと。

携帯電話やパソコンなど文明の利器が
かっては考えられなかったイライラを生み出したのは皮肉な話だ。
豊かさを実感したいとスローライフなんて言葉が広がって久しいが
イライラの種は尽きることなく、まだまだ社会はイライラだらけである。

師走には、普段以上に用事が舞い込み
普段以上に道路が車で混み合う。
その上、今年はデフレ不況や大型倒産だ。
走り回るな、イライラするなという方が難しいそうだが、安全第一が大事。

(M.N)

金融不安

「なぜそんなに高い建物を」、最初に写真を見たときの感想だ。
アラブ首長国連邦のドバイの世界一の超高層ビル「ブルジュ・ドバイ」。
今年末が完成予定と聞く。
高さは800メートル以上、建設費は何と2兆円そうだ。

ドバイには米中枢同時テロ以降、巨額のオイルマネーが流れ込み、
中東の金融や物流、情報拠点として目覚ましい発展を遂げてきた。
砂漠に忽然(こつぜん)と現れた高層ビル群。
ヤシの形をした世界一の人工リゾート島。
高さ千メートルの超高層ビルの計画もあった。

ただ、昨年の金融危機で急ブレーキがかかり
計画の凍結が相次いで先行きが懸念されていた。
そんな中、政府系企業の資金難が表面化し
ドバイ発の「金融不安」が世界を駆け巡って各国の株価が急落した。
「まさか金融不安再燃では」と動揺が広がった。

うたげの後には貧乏神がやって来るらしい。
日本の土地バブル,ITバブル
そして一昨年、米国ではじけた住宅バブル。
「またか」という既視感もある。

「世界一」が目立ったドバイ。
そのこだわりも高さや巨大開発が富を生むという心理が
働いていたのでは、と思うのだが。
ブルジュ・ドバイのブルジュはアラビア語でタワー(塔)のこと。
天まで届くようなビルに「バブルの塔」との評もあった。

(M.N)

 百年に一度の不況は最悪期を脱したばかり。影響は限定的とも。そうならいいが、リーマン・ショックの時も最初はそう言われた。厳しい雇用などで消費者の 財布のひもは固く、日本はデフレと円高に苦しんでいる。そんな時に、また難題ではかなわない。
 

間違い電話

時々間違い電話がかかってくる。
手が離せない用事をしている時など、つい舌打ちしたくなる。
また、かかってくるはずの電話を待っている時
間違い電話がくるとがっくりくる。

だが、冷静に考えてみると、自分も同じような
かけ間違いをやっている。
人の失敗を悪(あ)しざまにあげつらうわけにはいかないのである。
だから、間違い電話がかかってきた時には
できるだけ丁寧に応対しようと思うのだが、ついつっけんどんになる。

今日も間違い電話がかかってきた。
「○○さんですか」と女性の声。「違いますよ」
「すみません。お電話番号を間違えたようです。失礼しました」と丁重だ。
「あ、すんません」とだけでガチャンと切る人も多い。

先日、こちらが間違い電話をかけた。
「違います」という中年らしい男性の声。
「間違いました。すみません」と言ったら
「いやあ、こっちもよくやりますよ」とおおらかな返事。
ガチャンとにらみつけるよう切り方が多い中、こんな応対は初めてだった。

自分と比較して、あまりにも相手が「大人」なのには少しショックだった。
大げさなようだが、失敗した相手をとっさに気遣うというような
こんな気持ちにゆとりのある人を
「世の中を明るくする人」といってもいいのだろう。

ほんのささいな出来事のようだが
日常生活ではささいなことの積み上げが大きい。
人の値打ちはこんなところに出るような気がした.

(M.N)

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