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2012年8月 Archive
結婚式の変わりよう
- 2012年8月29日 07:56
- M.N氏の岡目八目
結婚式に何年ぶりに出席し挙式、披露宴の変わりように
驚くばかりだった。新郎新婦や式場によって結婚式は
さまざまな形があるだろうから、良し悪しではないが、
同年代以上の中高年出席者と「時代は変わったな」と
何度もつぶやいてお酌し合った。
何よりも驚いたのは、披露宴で友人ら若者が常に
新郎新婦の周りに群がり、おのおのスマートフォンなどで
写真撮影していること。お色直しのたびに新郎新婦と仲間で、
あるいは新郎新婦とスリーショットで、はたまた新婦と
ツーショットで、「ピース」と忙しい。
もはや親戚、職場の同僚などが新郎新婦に近づくのは
遠慮している状態。友人の結婚を心から喜んでいるのは
良くわかる。しかし聞けば友人による2次会もあるという。
ならば披露宴は親戚等へ2人を紹介する場でもあることを
少しは配慮して欲しい。
などと中高年は思いながら口には出さず、「時代は変わったな」
と苦笑いで酒を酌み交わす。そして披露宴の最後は、新婦から
両親への感謝の言葉と新郎のあいさつ。
新婦は「心配ばかりかけてごめんね。今まで育ててくれて
ありがとう」と感謝し、両親とともに必至で涙をこらえる。
昔も今も変わることのない親子愛が出席者の涙を誘う。
気が付けば、友人たちもこのときばかりは自席で静かに目頭を
押さえている。時代は変わっても結婚式の感動は不滅なのだ。
と安心して帰途についた。
世界の平和を願いたい
- 2012年8月27日 20:04
- M.N氏の岡目八目
作家の向田邦子さんの父は大酒飲みの癇癪(かんしゃく)持ちで、
家では「バカ野郎」の罵声や拳骨(げんこつ)が絶えなかった。
そんな父が終戦の年の4月、疎開する幼い妹に自分の宛名を書いた
おびただしいはがきを持たせた。「元気な日はマルを書いて、毎日1枚
ずつポストに入れなさい」と。妹はまだ字が書けなかったからだ。
そのうちはがきが届かなくなり、母が迎えに行った。妹は百日咳
(ひゃくにちぜき)を患い、虱(しらみ)だらけの頭で寝かされていた。
妹が帰ってくると、父は裸足(はだし)で表に飛び出し、瘠せた妹の
肩を抱いて声を上げて泣いたいう。向田さんのエッセー集
「眠る盃(さかずき)から引いた。暴君に見えても、心は子への
心配でいっぱいだったのだ。
向田さん親は無事に子供と再会できたからまだいい。
この時から1年ほど前、沖縄の子どもたちが疎開船「対馬丸」に乗って
那覇港から鹿児島へ向け出航した。米軍が迫ってきたためだ。
が、途中で米潜水艦の魚雷を受け沈没する。それが1944年
一昨日(8月22日)の夜だった。
疎開船には学童738人と教師、付き添いら合わせて1747人が
乗っていた。暗い海中に投げ出され、力尽きて次々と水中に姿を
消していく。生存者は227人。このうち学童は59人だけだった。
本土でしたいことがいっぱいあったはずだ。希望に満ちた
子どもたちの命を理不尽な戦争は一瞬にして奪った。子どもたちの
恐怖と苦痛。、わが子を殺された親たちの悲しみを思うと、
戦争を憎まずにはいられない。日中韓で危険な国益主義が
高まっている折だけに、ことさらだ。
いじめ問題
- 2012年8月23日 18:38
- M.N氏の岡目八目
いじめ時代ーと言えばオーバーだろうか。だが昨今は、
いじめが報道されない日がないほど、毎日がいじめに
あふれている。それだけ、誰かを標的にして攻撃しないと
氣が済まない人が多いのか。情けない時代を迎えたものだ。
いじめる側に対しては当然だが、子どもを守らなければならない
学校や教育委員会の無策な対応ぶりには情けなさも増幅する。
十分な調査をしなかったり、被害生徒に退学勧告するなど
自分の立場を全く理解していない。「不要」と判断されても
致し方ない状況だ。
なぜこうした現象が起きたかは今後、調査が進めば明白に
なるだろう。ただ、少なくてもあの対応ぶりに「個」を尊重する意識が
全くなかったことだけは明らかだ。助けを求める子どもに手を
差し伸べるどころか組織や学校の面目を優先しているのでは
教育を語る資格はない。
欧米諸国で浸透する個人主義。もちろん、個々が好き勝手に
ふるまってよいということではない。まずは個を尊重するーが
根底にある。日本の教育現場や家庭、地域社会でどれだけ
個人を大切にする教えが施されてきたのか、現状が
語っているように思えてならない。
宇宙での技術
- 2012年8月20日 19:23
- M.N氏の岡目八目
ロンドン五輪の熱狂がさめやらぬ地球のとなり、火星では
孤独で地道な作業が始まっている。米航空宇宙局(NASA)の
探査車「キュリオシティー」が着陸に成功し、火星表面の
鮮明な画像を地球に届けている。
太陽から3番目と4番目の惑星、地球と火星。となりとはいえ、
気が遠くなる距離である。キュリオシティーは8ヶ月以上の旅を続け、
半径10キロの「的」めがけて着陸した。超巨大アーチェリーを
想像すると、その技術力の高さに感嘆する。
探査車の重さは1トン近い。それをワイヤでつり下げ着陸させた。
NASAのスタッフは「金メダル級の仕事」と誇らしげだ。体操の
内村航平選手も舌を巻く最高難度の新技といったところか。
1960年代から始まった各国の火星探査。着陸や周回軌道投入の
成功率は4割。多くの失敗から学んだ成功という点をいくつも
つないで線にし、新たな面へと広げた。
好奇心の意味を持つキュリオシティーは、約2年かけ生命の痕跡や
可能性を探る。レイ・ブラッドベリの名作「火星年代記」をはじめ、
赤い惑星は古くから人々の想像をかきたてた。
ヒトの無限の好奇心は、宇宙の謎を解き明かせるのか。
鍛え上げた肉体の躍動に驚嘆したあとは、かなたの星で
黙々と仕事をこなす最先端技術からの未知の報告が待ち遠しい。
スポーツ祭典の魅了
- 2012年8月15日 17:32
- M.N氏の岡目八目
感動の後は心地よい疲れを感じる。朝、目覚めても、
気持ちの高ぶりが残っている。楽しい時間を多くの人と
共に過ごした満足感。夢が続いているような気分になった。
さまざまなドラマを残して、ロンドン五輪が幕を閉じた。
世界の壁の厚さも痛感したが、それでも連日のメダルラッシュ
だった。終わってみれば13競技で38個のメダル。
どちらも過去最多だ。精いっぱい頑張った選手らに
心から拍手を送りたいのです。
うれしいのは多くの「初」が生まれたことだ。重量挙げ女子、
アーチェリー女子団体、バトミントン女子ダブルス、フェンシング
男子フルーレ団体、卓球女子団体、サッカー女子。どれも
初メダルである。ボクシング男子は金、銅と複数メダルを
獲得したのも初めてだった。
久しぶりの快挙にも目と心を奪われた。ボクシング男子は
実に48年ぶり、レスリング男子は24年ぶりの金メダルを手にした。
バレー女子の銅は28年ぶりになる。長い挑戦の成果が、
新しい歴史の始まりになれば、と願いたい。
「遠く曲がりくねった道」と歌ったのは英国のバンド、ビートルズ
だった。「その道は君が目指す扉へと続く。いつも消えることなく
目の前にある」。それぞれが努力してたどり着いた扉を、
自分の力でこじ開けた。何よりもそれが素晴らしい。
日本はお盆のさなかだ。きのうツクツクボウシの声を聞いた。
季節は移るが、まだしばらくは夢の名残に浸りたい。
首相発言の重み
- 2012年8月11日 16:34
- M.N氏の岡目八目
政界ではこう言われてきた。「総理大臣は衆議院の解散と
自分の健康問題については、ウソをついても構わない」。
この二つ、不用意に漏らせば周囲に与える影響が大きすぎるからだ。
かっての「死んだふり解散」。首相だった中曽根康弘さんは
「考えていない」と言い続けて、いわば死んだふりを演じつつ、
解散に持っていった。解散に関する首相のウソの典型だ。
時の首相が時期を明言しないのは当然だ。それを承知で
「いつだ、いつだ」と迫るのは、子どものけんか見るようだ。
一体改革法案と解散時期をめぐる民主、自民、公明3党のゴタゴタ
の政局だった。
日本勢が感動を呼ぶ活躍を続けるロンドン五輪。その一方で
政冶はこれだ。多くの国民はあきれる思いだろう。結局、解散時期は
「近い将来」を「近いうちに」と表現を改めて3党が合意したようだ。
「文学を理解しないような政治家は本物じゃない」と語ったのは
亡くなった大平正芳元首相だ。ここで言う文学、迷彩服を着せたような
言葉があふれる「永田町文学」ではあるまいに。
昨日、消費税増税法が成立した。肝心の議論はそっちのけだ。
政争まみれのうちに決まってしまう増税だ。
志の高さ
- 2012年8月 9日 18:40
- M.N氏の岡目八目
ロンドン五輪では日本人選手の発する言葉が重い。
「自分のためにやってきた競技に、今回は特別な力が加わった」
と陸上ハンマー投げで銅メダルを獲得した室伏広治選手。
一流競技者ほど、社会や地域とつながろうとする。
震災直後、独り故郷を離れ、現役復帰したフェンシングの
菅原智恵子選手(汽仙沼市出身)は「一生懸命やる姿は見てもらえた
と思う」。不屈の粘りで入賞し、古里の市民に志を伝えた。
宅配業のネットを生かし、高齢者の見守り活動を行う松本みゆきさん
(盛岡市)が「金メダル」を獲得した。「活動を全国に広げる。最後まで
諦めない」と目標から目をそらさない。
挑戦する姿はそのこと自体が共感を広げ、公の財産になる。
これまでいろいろあった五輪も終盤へ。熱く盛り上がりたい
。支援を送りたい。
ロンドン五輪
- 2012年8月 6日 11:21
- M.N氏の岡目八目
熱い戦いが続くロンドン五輪は日程の半分を終えた。
日本の選手たちは世界を相手に大健闘をみせ、連日の
メダルラッシュだ。
メダル獲得はたたえられることなのに、日本の柔道陣は
その色にこだわり過ぎている。日本で生まれた武道だから、
選手に「金でなければ」という独特の重圧があるのだろう。
その他の競技も狙うものはもちろん表彰台の一番高い位置だが、
結果として銀,銅だったとしても、柔道のような悲壮感はない。
水泳陣メダリストのあふれる笑顔が印象的だ。
五輪の出場権を得るまでの血のにじむような努力は国民が
知っている。結果だけにとらわれないでほしい。「持っているものは
全部出せた」という、卓球の福原愛選手のコメントは爽やかだった。
世界が一番と認め、絶対的な自信を口にしていた体操の
内村航平選手ですら団体戦で考えられないミスをした。
世界選手権とは違う。4年に一度の五輪のなせる業だ。
だからドラマが生まれ、人々に大きな感動を与える。
笑顔だけでなく、涙も美しい。選手は持てる力を発揮する
ことだけに集中して戦ってほしい。
オリンピックでの勝利
- 2012年8月 3日 15:46
- M.N氏の岡目八目
4年に一度のスポーツの祭典「オリンピック」がロンドンで
華々しく幕を開けた。かってはアマチュアしか参加を
認められなかった大会も、今では大部分の競技でプロも
出場できるようになり、まさに人類最強・最速の座を競う場になっている。
「五輪には魔物がいる」と言われることがよくある。絶対的な
優勝候補があっさり敗れたり、まったく無名の選手が栄光の座を
手に入れたりするドラマが数多く繰り広げられてきた。
今大会でも、男子サッカーで日本が優勝候補のスペインを破る一方、
3大会連続で2種目制覇の期待がかかった北島康介選手が
100メートル平泳ぎで5位に終わるなど、予想外の番狂わせが
早くも相次ぎ「魔物」の健在ぶりを示している。
一方、これまでとは少し毛色の違う「魔物」が柔道競技に登場し
混乱を招いている。誤審を防止するために導入された「ジュリー制度」だ。
審判を補助するためにビデオ映像によって結果を判断する方法。
によって、一度下された判定が覆される試合が頻発している。
2000年のシドニー五輪において篠原信一選手が「世紀の誤審」で
金メダルを逃がしたことが、この制度導入のきっかけのひとつと言われる。
しかし、あまりに映像に頼り過ぎる状況下では審判の存在意義が
問われることになる。まずは審判の技術向上に力を注ぎ、
それを補完するためのジュリー制度であるべきではないだろうか。
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