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2012年6月 Archive

人材→人財

  • 2012年6月22日 07:56

一般的に「人材」と表記する言葉は、場合によって「人財」と
置き換えられる。ある新入社員研修会で講師の人材育成
コンサルタントは、能力も意欲も高い人が「人財」、意欲は高い
ものの能力は並の人が「人材」と指摘していた。ちなみに
能力も意欲も低い人は「人罪」らしい。

聞いていて「なるほど」と思わず笑ってしまった。
駄じゃれも時と場合を選べば、深い意味を持つ言葉になる。
同時に、こうした言葉遊び的な感性こそ、日本人が古来から
育んできた感性なのかもしれないと思い至った。

講師によれば、意欲はあるけれど能力はまだ未知数の新入社員は
普通の「人材」なのだそうだ。要は、「これから一生懸命に業務を学んで
能力を高め、一日も早く企業にとっての財産としての『人材』に
成長してほしい」ということ。

ただ人材が人財に成長するには、本人の努力だけでなく
その企業全体の育成力も必要だ。希望と意欲を持って
入社してきた新入社員の力を伸ばすための環境が
整っていないと、人罪を生みかねない。

オッドマン・セオリー

ある企業の人事担当者が「面白い女性を採用した」と
まんざらでもない様子。聞けば、試験の出来は悪かったが、
面接で「型にはまらず可能性を感じた」と言う。
職場改革にと期待していると聞く。

組織論の一つに「オッドマン・セオリー」という理論がある。
オッドマンとは半端な、風変わりな人という意味。集団の中に
一人異端の者を加えると、かえって組織がうまく機能するという。
野球やサッカーでも、普段役立たずだが、劣勢になると最高の
働きをする選手がいる。アリやハチの世界も同じらしい。
エリートばかりがいいわけでない。

はみ出し者や大ばか者が組織を引っ張り、やがて見事な戦う集団へと
変化させていく。古今東西、そんな偉人伝がたくさんある。今の日本に
オッドマンはどれほどいるのだろうか。

偏差値教育に飼いならされ、厳しい就活では狭き門を突破するため
「望まれる人間像」をマスターする必要がある。そうした努力が逆に
角を矯めて没個性にしてしまう。

労働政策研究・研修機構が行った調査によると企業が求める人材は、
かっての「協調型」から「自主行動型」へ変化している。これも
時代の要請といえる。

本来、若者はどこかオッドマン的な性格を有しているはず。
企業や社会が最初から都合のいい理想型を求めては人材が育たない。
キャリア形成の中で型破りな個性をたくましく伸ばせるかが問われる。


働く意義

<私は、会社のために働きに来るという社員は嫌いだ。
自分のためにいかに働くかが問題だ。会社のためが欺瞞(ぎまん)
であることは、本人が一番知っているはずだ>これはホンダの創業者、
本田宗一郎氏の言葉。自分の夢に向かって働き続け、ホンダを
世界的企業に育て上げた人ならではの名言だ。

今春、新社会人となった若者たちは当初の張り詰めた緊張感が
薄らいでいる時期ではないだろうか。GW明けごろから、新しい環境に
適応できない人たちに「五月病」と呼ばれる症状が現れることが多い
そうだ。

近年、厳しい就職活動を勝ち抜いた若者が2,3カ月であっさりと
離職する傾向が目立つという。就職することだけに傾注しすぎて、
働く意味や目的を見失っているのではとの指摘がある。

本田氏は、人は誰でも働くことは一切平等だという。
「人は誰でも、自分の生活を楽しみたい。自由になりたいと仕事に
精を出すものだ」。そのために自らを鍛えて、頑張り続けることが
肝要だそうだ。

若者には時間と言う資源が多いが、それは有限だ。老いは
確実にやってくる。現代のような困難な時代に企業は甘えを拒否し、
自立できる人材を求めているという。まずは自分のために働こう。

迷惑電話の撃退法は

最近、自宅の固定電話にかかってくる内容はセールスや
勧誘話がほとんどだ。こちらの都合にお構いなしにかけてきて
一方的にまくし立てるから、受話器を取るのが嫌になる。

先日、知人が受けたのは、太陽光発電システムの売り込み。
「電力会社が電気を高値で買い取るから必ず採算が取れる」
「近くに営業マンがいるのですぐに寄らせる」と強引だったが、
きっぱりお断りしたと聞いた。

本来、電話を受けたときには、こちらの名前を名乗るのが礼儀だが、
最近は「はい」としか応じない人が増えているようだ。これも
仕方ないことで、知人は以前、かかってきた電話に名乗ったばかりに
悪質な相手に名前を知られ、ずいぶん困ったことがあったという。

携帯電話の普及率が1人1台を超える一方で、固定電話の数は
急激に減っているらしい。一人暮らしの若い人や共働き夫婦などは、
自宅に固定電話を引く必要を感じないのだろう。

逆に、固定電話に出るのは在宅のお年寄りが多いから、
詐欺や投資話の標的にされやすい。新聞報道でも多額の金銭を
騙し取られたという記事が数多い。そんなこともあって、最近は
ボタン一つで迷惑電話の着信を拒否することができる電話機が
良く売れているという。

電話機を買い替えるのも一法だが、お金が掛かる。手軽で確実な
撃退方法はないものだろうか。

二枚目の名刺

最近、名刺交換した相手から「実はこういうこともしてまして」と
2枚目の名刺を差し出されたことがある。中には3枚目が出てくる
人もいて、話はその枚数に比例して長くなるばかり。
名詞は世界中で使われるが、肩書社会・日本には特に深く根付く。
役所の人から部署が変わるたびに渡されて、退職までに10枚ぐらい
もらうこともある。まめに取っておくと、「あの時はこうでしたね」と
話の接ぎ穂には便利だ。

役所や会社では、職責が重くなるほど名刺は簡潔になる。
同様に政治家も地位を極めると、墨痕黒々とした名前だけになる。
この反対は個人の手作り名詞で、中には人柄まで表れ、
小さな紙片に独特の表現力があることが分かる。

2枚目の名詞には、社会活動の肩書きが多い。短期間、
町づくり団体などを立ち上げ、その間だけ配る人もいる。
ある大学生は、ボランティアの日本支部幹部として数百人を束ねたが
肩書きに恋々とせず、さっさと身を引いて就職した。

聖徳太子の十七条憲法には「官のために人を求め、人のために
官を求めず」とある。官(役職)に適材を求めても、人のために
官職を設けるなという戒め。官も民も本質は同じで、やはり立場や
肩書きは、社会に役立たせるためにある。

2枚目の名刺を出す時、人はどこかうれしそうな表情を見せる。
2枚目は「好きでやっているから」なのだろう。そんな愉快な
肩書き社会なら歓迎したい。組織や団体の垣根を越えて
新しい動きになり、やがて地域に活気が生まれることだろう。

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