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2013年12月 Archive

交付金

えとが巳から午に代わるまで、残すところ1週間をきりました。
円安株高に沸いたアベノミクスの傍らで、高齢化と人口減への
備えが呼ばれた2013年も、いよいよ押し詰まってきました。

地域の存亡を懸けた少子化対策を大胆に進めたいと思えど、
それに贅沢な予算を振り向けられるほど自治体の財政に
余裕はない。そんな折、都道府県は最大で4千万円、市町村は
800万円の財源を手にするチャンスが降ってわいてきた。
政府が、自治体独自の取り組みを支援する交付金を
新たに設けるという。

血税を使った総額30億円のクリスマスプレゼントと言いたい
ところだが、手を挙げれば誰もがもらえる金ではない。条件は、
ユニークで先駆的な取り組み。そこで注目されるのは、
県内の自治体が地域の将来にどれだけ危機感を抱いているか、
閉塞状況を打ち破るにはどのような対策が必要か、
日ごろからの考えを抜いているかどうかだ。

目前に迫る超高齢社会を見据え、中心市街地に都市機能を
集める「コンパクトシティー」構想を後押しするための支援策も、
さまざまに打ち出されそうだ。ただ、構想を実現させるには、
それ相応の財政支出が欠かせない。

それにも増して重要なのが、構想の狙いを十分に理解し、
協力してくれる住民の存在だろう。もしかしたら。今後数年間に
自治体が進める取り組みが、地域の将来を決定付けるかも
しれない。田舎の旧友からの久しぶりの便りに、国の昔ながらの
ばら撒き政策には少々腹がたつ年の瀬だ。

本年の「岡目八目」いかがでしたでしょうか。
来年もよろしくお願いいたします。
皆様方が良いお年を迎えられますことを祈願します。


工事現場

慌ただしい師走、友人の車に同乗していて都内の工事現場に
さしかかる。最近の工事現場だが、作業内容を大きく看板に
書いているのを見かけるようになった。「橋の寿命をのばす
工事をしています」「傷んだ舗装をなおしています」など。
分かりやすい言葉で伝えようとしている。

何のための工事か分かれば、イライラ感も幾分は緩和される
というものだ。従来工事現場にある看板や表示板は文字が小さく、
しかも専門的な用語が多いという印象。車の中から読めるような
ものではなかったように思う。

違う工事現場では、作業に従事jしている人たち十数人を
顔写真を付けて紹介していた。ここまで積極的に情報を公開
するのかと驚いた。東京では、工事に対する苦情や問い合わせ
なども多いと推察される。

建設業の知人に聞くと、最近はどれだけ周辺住民に配慮して
いるかなども業者に対する評価の対象になるのだという。
公共工事の入札は、総合評価方式が一般的になってきた。
地域への貢献度など価格以外の要素も反映しするようだ。

受注に向けた努力だと聞けば世知辛い感じがするが、
それでも住民に有益なことであれば情報を発信する
取り組みは歓迎したい。

流行語大賞

やはり言葉には賞味期限があった。多くは、時々の世相を
映す鏡ともなる。今年は新語・流行語大賞を一つに絞りきれない
ほどいろいろあった。同時受賞四つのうち、「じぇじぇじぇ」は
NHKの朝ドラ「あまちゃん」で使われてきた驚きや感動を表す
三陸地方の言葉だ。海女たちの底抜けの明るさと震災復興を
願う視聴者の思いも重なりブレークした。

同じく人気ドラマ「半沢直樹」の主人公が、理不尽な上司に放つ
決めぜりふ「倍返し」も下馬評通りだった。現実と照らし合わせ
溜飲を下げたり、小さくつぶやいてみた人もいただろう。
滝川クルステルさんの「お・も・て・な・し」のスピーチが東京五輪
誘致に一役買ったのは間違いないだろう。こちらは中高年男性
からの支持が高かった?ともいわれている。

一方「アベノミクス」が大賞から外れたのは期待先行のためか。
安倍首相がらみでは原発事故の汚染水漏れが続く中での
「コントロールされている」発言への違和感が今でも消えず、
気がかりな点が目に付く。

最たるものがベスト10入りの「特定秘密保護法」で、
タカ派色を強め数頼みの強硬姿勢には危うさがつきまとう。
国民の知る権利を奪うような法にはノーの声を上げたい。
それはいつかー残る大賞、予備校講師・林修さんが叱咤する
「今でしょ!」。

防空識別圏

国際社会に何の断りもなく、中国がいきなり、
尖閣諸島を含む東シナ海に防空識別圏を設定した。
事前の連絡なしにここに入るな、さもなくば撃墜するという。

手順も協議もなしに、一方的に設定することが許されるわけがない。
日本政府はわが国の航空会社に飛行計画を提出しないよう
求めており、西側諸国もこの姿勢に同調している。

ただ、頼りのアメリカが、どこか歯切れが悪い。「尖閣は
日米安保の適用範囲」「日本の姿勢を評価する」とはいうが、
米国の民間機の飛行計画提出は「安全確保のため容認」する
構えのようだ。

握手をしながら足を蹴るのが国際政治。ダブルスタンダードの中で、
いかに正当性があっても、確固とした同盟や連帯がなければ
交渉を有利に運べないと思う。今や世界第二の経済大国に
なった中国だが、力だけで覇者になるのだけはご免だ。

介護問題

例えば、50代夫婦とする。夫に安定した収入があり、
子供の教育も仕上げの時期に入っている。ところが、
親の介護をしなければならなくなった。とする。
ここまで来れば、生活の見通しは立つから、妻が
専業主婦に戻り、親を見る。夫は仕事を続ける。

夫婦ならこれが可能だが、今後は40~60代の
未婚が増え、特に男性は4人に1人が単身者になる。
と予測されている。現在の介護モデルは通用せず、
未婚の子どもが親を見る「シングル介護」の時代が来る。
すでに始まっており見回すと知人2人がそうだ。

シングル介護の大きな問題は、働き盛りに仕事と
両立できなくなり、会社を辞めざるを得ないケースが
起きること。そうなると、収入の道は途絶え、貯金や
親の年金で何とかしのぎ、介護を終わらせたものの、
今度は再就職の壁に直面する。シングル介護が、
長期的な困窮を招いてしまうのである。

企業側の理解が欠かせないが、出産・育児と違って
期間で区切れず、雇用見通しが立てにくい、という課題
が持ち上がる。介護を家族に頼るのは限界と言える。
血縁を超え、施設やサービスの充実、地域の支えが
不可欠になっている。

 

会話の大切さ

65歳以上の独居男性の16・7%は会話をする機会が
2週間に一回以下で、社会から孤立する傾向があるそうだ。
そんな調査結果にどきりとさせられた。近所に縁者や
茶飲み友達がおらず、趣味で外出する機会も少ないのだろう。

孤独を愛するというよりはついつい出無精になり、社会との
つながりを持てない高齢の独居男性ことだ。身につまされるのは
将来、自らも会話不足に陥る想像に難くないからだ。どんな
事情でいつ独り暮らしになるかもしれない。

職種によって事情は異なるが、当世は会社でも各自がパソコンと
向き合っている時間が長いようだ。オフィスオートメーションは
職場をも総じて無口にした印象がある。日本人女性の平均
寿命は86・41歳と世界一で、男性も過去最高の79・94歳だ。
喜ばしいことだが、核家族化が進んでいるとなれば会話が
ほとんどない独居者は増える一方だ。

会話不足は精神的にも問題があり、認知症を進行させ、
うつを招く原因にもなるという。どちらかというと社交的で
話し好きな女性陣に比べ寡黙な男性陣はもっと会話を
楽しむようにしたい。

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