Home > Archives > 2012年12月 Archive

2012年12月 Archive

本年も有難うございました

新政権は、暮らしと、将来を思い、国の進むべき道と
示せる政治を期待に応えてほしいものです。
クリスマスが終わると、正月を迎える準備があちこちで
始まる。しめ飾りなどを売る露天が軒を並べ、
慌ただしがまします。来週はもう元旦です。
本年の『岡目八目』をご愛読ありがとうございました。
来年もぜひ、お読みいただけることをお願いし、
皆様方が、ご健康でよいお年を迎えられますよう
祈願します。

年暮れる

カレンダーは、今年の残りが1週間足らずと教えてくれている。
選挙が師走の時間をせき世間の時計が一気にぐるぐる回転して
いるかのようだ。やらなければいけないことがいくつも重なると、
全部まとめて投げ出したくなる。それもこれも暮れという時期
だからだろう。

明日、明日と先送りしても、年賀状は書かないといけない
という人が多い。近年はメールを年賀状代わりに、という方法もあるが、
元旦に一通のはがきを受け取る喜びは、ほかでは得られない。
ならば、元旦に間に合うように思いつつも大晦日の夜に
書いていたこともあった。

先日、友人から「今年は年賀欠礼のはがきを何通もいただいた」
という話を聞いた。われわれの年代は、親がそういう年齢になって
いるんだよとその人はつぶやいていた。
父と母の、知人のはがきを出したらそれぞれの年を思い出した。
寂しい正月には違いないが、心が静かに亡き親に寄り添って
いたような氣がする。

年賀状を出せないからと、寒中見舞いで近況を伝えてくれる
人もいる。忘れられない思い出だ。
それ以来、真似をさせてもらっている。

有権者の声

あっという間に衆院選が終わり、年末を前に新たな顔触れが
選ばれた。誰に投票すべきか、これほど考える時間が少ない国政選挙は
最近はなかったと思う。選挙の直前まで新党の立ち上げや合流が相次ぎ、
状況は目まぐるしく変化した。政党や各候補者が訴える政策も
入り組んでいて、各党の違いが分かりにくいという指摘が多かった。

何よりも気になったのは「どの政党にも期待できない」「いい話ばかりで、
誰を信用していいのか分からない」という有権者の声を数多く聞いた。
以前から「政治に期待しても何も変わらない」という無関心な人はいたが、
最近は政治に一定の期待を寄せ、これまで真面目に1票を投じて
きた人たちが政治の現状に失望を感じ始めているよう思える。

その失望感は与党にも野党にも等しく向けられている。掲げた政策の
実現だけでなく、選挙時の訴えとその後の行動、国会での与野党間の
議論などにも厳しい目が注がれているからだ。「当選後もどこまで
取り組んでくれるか分からない」「選挙の時だけいいことを言う」。
こうした有権者の声を真剣に受け止めてほしい。

山中効果

ことしのノーベル医学生理学賞に選ばれた山中伸弥京都大学教授。
授賞式をテレビで見ていたら、家族思いの一面をのぞかせて
ほほ笑ましかった。式には妻の知佳さんと母の美奈子さんも招待された。
メダルを授与された後「母親の顔を見て安心しました」と話していたのが
印象的だった。

知佳さんを「大阪の肝っ玉おばさん」と呼ぶ。「研究仲間の3人は、
2人の娘と同じぐらい大切。家内はこの3人より大切」というおのろけは、
講演での定番だそうだ。当日、知佳さんの身を包んだ着物には、
オシドリの柄があしらわれていた。山中教授が選んだそうで
おしどり夫婦をアピール?周囲を和ませるユーモアのセンスも抜群だ。

山中教授が開発したIPS細胞は東京スカイツリーとともに、ことしの
ヒット商品番付で横綱になった。「日本人に自信を与えた」というのが理由だ。
先日発表された国際数学・理科教育動向調査で、日本の小学生に学力向上の
兆しが見られたという。「山中効果」で、後に続く子どもたちが理科系を極める
ようになるなら頼もしい。

原発の扱い

今回の衆院選、エネルギー源の一角を占める原発の扱いが
争点の一つだ。政党によって「脱原発」「卒原発」「減原発」
「原発即廃止」と言葉は異なるが、少なくとも今よりは原発を
減らすか、将来的になくするかということと思える。

これまでの原発を含む核燃料サイクル政策を考えると、
燃料を燃やし電気を発生させる原発やそのほかの関係施設は
あっても、燃料を循環させる輪は完成しておらず、使用済み
核燃料はたまり続ける。「トイレなきマンション」と言われるゆえんだ。

サイクルの輪に必要な、しかしまだ存在していない施設は
「▽▽年ごろから議論を始める」といい、行き当たりばったり感が
否めなかった。とはいえ、現在の社会は3・11前、原発が
作り出す電気に多く依存してきた。今ここから脱却するには
時間と知恵が必要だ。

「*原発」を訴える党は選挙後すぐ自らが唱えた原発の扱いと
代替エネルギーに関するロードマップを作成、明示することを
やってほしい。まさか票目当てに「*原発」を訴えることはないだろう。
「やっぱりできませんでした」では済まされないのだが。

誰からも親しまれた人

第一印象は「何というさわやかな、ほどのいい若者だろう」。
昨年11月に亡くなった落語家の立川談志師匠は書いている。
勘九郎さんのことだ。ほどがよいとは、外見が良く好ましい
という意味だ。2人は19歳も年齢が離れているのに意気投合し、
よく飲んだらしい。翌日、寄席に穴をあけ、勘九郎さんが
駆けつけて客席に謝ったそうだ。

「第一印象は現在まで変わらない」と著書『談志百選』にある。
2人は今、1年ぶりの再会をどう思っているだろうか。
「来るの、早すぎるんじゃねえか」と談志さん、たしなめている
だろうか。勘三郎さんが57歳の若さで亡くなった。
物語や役とは別に、役者その人の魅力を味わうのが
歌舞伎の楽しみの一つという。ほどがよく、さっぱりして、
きびきび。歌舞伎の魅力が結晶したような人だった。

テレビを通して、愛嬌のある笑顔に魅了された人も多いだろう。
幅広い役柄、外国公演、歌舞伎の枠を超えた演劇人との競演。
さらには円熟味を増した「勘三郎の世界」。見せ場はこれから
だったはずなのに。東日本大震災の被害地に応援に行けないのが
歯がゆいと・・・いつだったか、そんな意味のことをテレビで
語っていられたことを思い出す。病気から立ち直り、元気な姿で、
復興の様子を見に行ってほしかったと悔やむ。

Index of all entries

Home > Archives > 2012年12月 Archive

Search
Links

ページ上部へ戻る