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2013年4月 Archive
歌舞伎座
- 2013年4月24日 09:36
- M.N氏の岡目八目
東京銀座のシンボル、歌舞伎座の建て替え工事が終わり、
3年ぶりの復活で周辺に華やかさが戻ってきたが、
新しくなった歌舞伎座の周辺は、開場を待つ人々でごった返し、
華やかな空気に包まれていた。
背後にそびえる高層ビル以外は、改装前の外観がよく再現
されている。ロビーや客席、舞台など内部も同様で、懐かしくもあり、
ほっとした。舞台も何もかも素晴らしい。特に座席がゆったり
しているのがいい。その出来栄えに太鼓判を押した。
1889年の開催から5代目となる歌舞伎座の完成予想図を
初めて見せてもらった時には、29階建てのオフィスビルとの
複合施設となることで、建物の伝統美が損なわれるのではないか
と思った。しかし、工事用外壁が取り払われ全容を現すと、
劇場部分はしっかりと伝統美を引き継ぎ、背後に建つ
オフィスビルが、まるで黒子のように融合していた
再開を待つうちに何人もの名優が世を去り、歌舞伎の危機と
懸念された。こんなときこそ新しい世代が育つはずと、期待の声も
上がった。確かに不在の人々の面影がちらつく。働き盛りの
40代後半から50代の役者は、なぜかもともと層が薄い。
勘三郎さんの早世でさらに際立ってしまった。この喪失感は
癒されるのだろうか。
80歳の挑戦
- 2013年4月20日 08:16
- M.N氏の岡目八目
冒険家の三浦雄一郎さんが3度目のエベレスト登頂を目指し、
日本を出発された。80歳の挑戦である。その抱負に感嘆した。
「80歳は4度目の二十歳。限界まで頑張ってみたい。プロスキーヤー
として世界7大陸の最高峰から滑降に成功するなど輝かしい実績を
持っていられる。
エレベストは70歳と75歳のときにも登頂を果たしていられる。
登頂者の最高齢記録は2008年にネパール人が達成した76歳。
成功すれば記録を塗り替えることになる。ただ、本人に記録への
執着はないそうだ。「筋力や体力は70歳のときより上がっている。
最高齢にはこだわっていない。自分の80歳にトライしてみたい」。
どこまでやれるのか。限界への挑戦は衰えることのない冒険家
スピリットだろう。
三浦さんは「父の背中が大きな力になっている」といわれる。
営林局勤めだった父の敬三さんは山岳スキーヤーとして活躍。
99歳でモンブラン氷河を滑り、101歳で亡くなる直前まで
スキーを続けられたそうだ。目標を見失っていた頃、一番近くの
大きなも目標に教えられたそうだ。
昨年秋には不整脈が再発、手術を受けられた、術後、
重いザックを背負ってトレーニングを続けられた。今回は
次男でスキーの元五輪選手、豪太さん(43)も同行される。
「あきらめなければ何歳でもできる」。
5月中旬を目指したアタックは人の可能性への挑戦となる。
ご成功を祈っている。
収束できない事故
- 2013年4月15日 10:38
- M.N氏の岡目八目
政府が「終息した」と宣言したはずの福島第1原発で、
深刻なトラブルが続いている。先日は停電で長時間、
冷却水が送れなかった。今度は地下貯水槽から大量の
放射性物質を含んだ汚染水が漏れ続けていることが分かった。
東京電力は当初「原因は調査中」と繰り返すだけで有効な
対策を示せなかった。漏れた量は少なくとも120トン以上。
移送先にめどがつかないまま、毎日400トンの汚染水が
新たに発生しているという。
政府の対応はどうか。例えば昨年7月、国会事故調査委員会
の提言でできた衆院原子力特別委員会は先日、ようやく
初会合を開いた。原子力行政を監視するはずの組織なのに、
委員の多くは原発推進派に差し替えられている。原発の
改善状況を継続的に監視する仕組みもまだできていない。
どういうことだろう。さきの特別委員会では、地元の商工会長が
「国会の対応は被害者にとっても歯がゆいことだった。心の
安心を下さい」と胸の内を語った。福島県も東電の担当者を
呼んで「対応が場当たり的だ」と批判した。
事態を制御できない東電とそれを見過ごしたままでいる政府。
その一方で電力業界や政権幹部は原発再稼動に意欲をみせている。
不思議な光景である。厚顔無恥というしかない。まずは事故を
収束させること。現委員を究明し、安全対策を確保すること。
今後の話は、それができてからだ。それが政治家や企業人の
責任だと思うのだが。
サッチャー氏死去
- 2013年4月13日 17:37
- M.N氏の岡目八目
87歳で亡くなった英国のマーガレット・サッチャー元首相は
いつもせかせかと歩き、並の人間では追いつけない速さだったという。
「私はいつも激しく働いてきた。仕事なしではどうしていいかわらない」
とも言っているから、一種の「仕事中毒」だったのだろう。
田舎町の食料雑貨店に生まれ、勤勉と努力で権力の座へ上り詰めた人だ。
だからか、働きばちの日本人には共感を示した。国内向け演説では、
日本に見習えと言わんばかりに、その勤勉さと技術革新をしばしば
引き合いに出したという。「われわれは自分の努力でハシゴを上がる人
を助けるべきだ」。こう訴えて政府の関与を減らし、競争原理に基づいて
産業界を再生させる新自由主義の道を突き進んだ。
国有企業の民営化や規制緩和、労組の弱体化を進め、高福祉政策にも
大なたを振るった。そんな荒療治で疲弊した国を立て直した。この路線が、
中曽根民活路線など日本の行政改革にも多大な影響を及ぼしたことは
周知の通りだ。
が、市場原理の重視は、競争から落ちこぼれた人を社会の底辺へ追い込み、
貧富の格差を広げたのも事実である。国のかたちを大きく変えた「鉄の女」
サッチャー氏が、光と影に彩られた首相在任3期11年余りだった。
私ごとで恐縮だが、同時期に企業戦士の一員として、都市計画業務の
末端に携わっていたが、知人から「あなたの趣味は」と問われ「仕事です」
と応えたことを思い出し、国内全体が騒がしかったが、良い時代だった
ようにも感じる。
ケネディ王朝
- 2013年4月12日 20:50
- M.N氏の岡目八目
ジョン・F・ケネディ米I大統領が、テキサス州ダラスで暗殺されたのは
1963年11月22日だった。今年没後50年になる。その折に、
遺児で長女のキャロライン・ケネディさんが、次期駐日大使の
有力候補に取りざたされている。55歳というから、父親を失ってときは
5歳だった。現在は父親の名を冠した図書館の館長をしているそうで、
政治に携わった経験はない。
キャロラインさんといえば、オバマ大統領支持を鮮明にし、
その勝利に貢献した一人としてメディアに登場していた。駐日大使に
擬せられたのは、大統領選の論功行賞と報じられるゆえんだろうか。
それに加えて、名門ケネディ家(ケネディ王朝とも呼ばれる)の出身
ということも。死後半世紀たっても、国内外でのケネディ元大統領の人気は
衰えるどころか、節目の年と相まって一層高まる気配だ。
1961年から5年間、駐日大使を務めたライシャワー氏は、
ケネディ元大統領のたっての要請でハーバード大教授から転身した。
著名な歴史学者でもあり、遺唐使円仁の中国旅行記「入唐求法巡礼行記
(にっとうぐほうじゅんれいぎょうき)の翻訳者として知られている。
伝えられるように、キャロラインさんの就任が実現すれば、初めての
女性駐日大使となる。日米関係により良い効果をもたらす、と日本では
早くも期待する声が出ているが、米軍普天間基地問題をはじめ
難題が待ち受けている。
バブルに用心
- 2013年4月 9日 18:43
- M.N氏の岡目八目
昨年末以降、平均株価がほぼ右肩上がりで上昇している。
安部晋三首相が掲げる「アベノミクス」の効果と言われる。
百貨店では高級商品が売れるようになったらしい。株が上がり、
カネが回り、景気がよくなる、結構なことだ。
「バスに乗り遅れまい」と、証券会社の株式セミナーも盛況だという。
だが、年季が入った個人投資家なら「これはバブルかもしれない」
という不安もよぎるのではないか。1980年代後半から90年代初めの
バブル景気。株式市場は空前の活況を呈し、土地には目をむくような
値が付いた。知人の不動産会社社長は「取引のなかった大銀行の
支店長が100億円単位の金を借りてくれと向こうから出向いてきた」
と驚いていた。
ごく一部の学者などが「バブルだ」と警告を発していたが、
投資家も銀行も耳を傾けなかった。だが、やはりバブルだった。
株や土地その他に投じられて、まさに泡と消えたカネは日本全体で
何百兆円になるのか。まず経済の右肩上がり信仰も土地神話もない。
なによりバブル崩壊で大損した人がたくさんいる。そういう人たちは
「ババをつかんでなるものか」と逃げ足も速いだろう。
用心するに越したことはない。
図書館
- 2013年4月 3日 11:25
- M.N氏の岡目八目
今日(4月2日)は、図書館開設記念日なのだそうだ。
明治5年旧暦4月2日、東京湯島に日本初の官立公共図書館
「東京書籍餡」が開設されたことに由来するという。
図書館と聞いて思い出す印象深い言葉がある。
高校時代の世界史の先生が、何かの折に授業から脱線して
話された言葉だ。「公立図書館っていうのは、その地域の文化の
豊かさを示すもんだ」と。記憶をたぐる中で意訳すれば、
このような話だった。何となく分かったような気で聞いていた
覚えがある。
60年近く前の話だ。今のようにネットで知りたいことが
すぐに調べられる時代ではない。何かを調べたい時、真っ先に
向かうのは図書館だ。今振り返って考えると、先生は生涯学習の
拠点として公立図書館の重要性を指摘されたのだろう。
佐賀県武雄市の市立図書館が話題だ。1日から指定管理者制度
を導入、TSUTAYAを運営するカルチュア・コンビニエンス・クラブ
(CCC、東京)に運営委託した。民間の「カード」で本を借りて
ポイントが貯まる仕組みや本を持ち込めるカフェ、CDやDVDの
有料レンタル、書籍の販売もあるという。
同市の人口は5万人、典型的な地方の小都市だ。図書館に
指定管理者制度はなじまないという意見や、Tカード導入で
個人情報保護を危惧する声もあったという。果たして、「文化の
豊かさを示す」存在なのかどうか、自分の眼で確かめてみたい
興味ある図書館だ。
折しも中原図書館が武蔵小杉駅前のビルに、開設された。
図書館内装工事をジェクト株式会社が施工。図書館の概要は、
市川社長のブログで説明されている。近代的な設備を要した
図書館と聞く。早く利用したい。
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