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2013年8月 Archive
ミドル級の新星
- 2013年8月31日 12:50
- M.N氏の岡目八目
ミドル級はボクシングなど格闘技の階級の一つ。
ミドルの意味は「中間」。かってのプロボクシングの階級では、
ヘビー級とライト級の中間のウエートだった。 17階級に
細分化された現在では、5番目に重い。
日本人の感覚では重量級だ。1995年に竹原慎二氏が
WBAの世界王座につき、日本人選手が王座についた最も
重い階級となったが、防衛は果たせなかった。身長や骨格
からいって、アジアの選手には不利な階級とされる。
そのミドル級でロンドン五輪の金メダルを獲得した村田諒太氏が、
鮮やかにプロデビュー戦を飾った。ノンタイトルの6回戦で、
東洋太平洋同級王者に2回TKO勝した。初回から積極的に
前に出て右ストレートでダウンを奪い、2回にも右の強打を
ヒットさせて勝利を決めた。
「80点ぐらいはいいですか?」。試合後に求められた自己採点
の返答だった。大物新人として注目を集めたデビュー戦である。
重圧もあったはずだが、端正な笑顔を見せてリングに立ち、
「勝ってホッとした」とも。新しいタイプのヒーローを予感させる。
日本人のミドル級ボクサーの物語といえば、沢木耕太郎さんが
『一瞬の夏』(新潮社)で克明に描いたカシアス内藤の挑戦が
思い浮かぶ。内藤氏が果たせなかった夢だ。欧米選手中心
の階級で、"新星"が世界チャンピオンになる日も近いかもしれない。
イチロー選手の印象的な言葉
- 2013年8月28日 08:10
- M.N氏の岡目八目
ヤンキースのイチロー選手が4千本安打を記録したときの会見で、
こんなことを言っている。「4千の安打を打つには僕の場合、
8千回以上の悔しい思いをしてきている。常にそれと自分なりに
向き合ってきた事実、誇れるとしたらそこじゃないですかね」。
並外れた努力で、今の立場を築いてきた自負であろう。
プロ生活22年。39歳になっても、走攻守に衰えを感じさせない
状態でプレーしている選手ならではの誇りであろう。
彼はその日、印象的な言葉をいくつも残している。
「記憶に残っているのは楽しいことではなく、うまくいかなかった
ことなんですね。そのストレスを抱えた中で瞬間的に喜びが
訪れる。それがプロの世界の醍醐味ですね」。
昔できたがことが今できないというのは見あたらない。でも、
昔考えなかったことを今は考えるようになった。過去の自分と
現在の自分を客観的に見て、どうなのかと考えるのは大切なこと」。
満足したら終わりというけど、それは弱い人の発想。満足を
重ねないと次が生まれない。僕はものすごく小さなことでも満足するし、
達成感を感じる。それを感じることで次が生まれてくる。
うれしかったら喜べばいいんですよ」。
まるで教育者、哲学者のような言葉が数々。それをすべて、
実践と記録に裏打ちされているから説得力がある。
ビート・ローズ氏の持つ最高安打4256更新も視界に入った。
海の向こうからのうれしいニュースは、日本人の誇りであり
励みともなる。これからもさらに広がる夢を共有したいものだ。
意外な決勝戦
- 2013年8月25日 15:21
- M.N氏の岡目八目
日本中の誰も予想していなかった意外な顔合わせの決勝戦は、
夏の締めくくりにふさわしい好ゲームだった。
夏の全国高校野球は、群馬県代表の前橋育英高が初出場で
初優勝を飾った。防衛率0,00と抜群の安定感で勝ち上がってきた
好投手を相手に3点を先制。逆転を許した後も懸命に食い下がった。
どんな場面でもナインは笑顔を忘れなかった。宮崎県勢初の快挙は
お預けになったが、健闘に拍手を送りたい。
浦和学院、大阪桐陰,済美、横浜・・・大会では、優勝候補と
目された学校や甲子園の常連校が次々に姿を消していった。
最後に残ったのは、試合を重ねるごとに強く、たくましく成長した
2校だった。優勝した前橋育英は準々決勝で、9回2死無走者
という絶体絶命の場面から2点差を追いついた。
延岡学園も準々決勝で9回、内野手の超美技で逃れたはずの
ピンチを微妙な判定で"やり直し"にされ、そこをもう一度
しのいで競り勝った。
素質に恵まれた選手が「古豪」や「伝統校」に集まりやすいのは
確かだろう。だけど、試合をするのは同じ高校生、やってみなければ
勝負は分からないースポーツのそんな楽しさと厳しさ、それに
若さの持つ可能性をあらためて確認できた気がする。
まるで大会の閉幕を待っていたみたいに天気は、下り坂だ。
古都鎌倉
- 2013年8月19日 13:09
- M.N氏の岡目八目
年を重ね、あらためて文豪の作品を読み返すと、
昔は気づかなかった人生の機微に触れ、新鮮な驚きを
覚えることがある。夏目漱石の「こころ」もそのひとつだ。
愛と死を見つめたテーマはずっしりと重く、主人公の「先生」と
「私」が出会った鎌倉の描写には時の流れを感じる。
小説が書かれたのは大正初期、当時、東京から鎌倉へは、
<二、三日かけて金を工面して>出かける場所だったとある。
川端康成や小林秀雄など著名な作家がこの地に居を構えたのも、
大仏や八幡宮、武家屋敷などが点在する落ち着いたたたずまい
あってのことだろう。
東京とのほどよい距離感が思索の場としての魅力を高めたはずだ。
時代とともにその距離は縮まり、いまでは電車で小一時間だ。
週末には狭い市街地に観光客があふれ、猛烈な交通渋滞だ。
漱石が見たまち並みとは、別世界に違いない。
世界遺産登録を目指す鎌倉に審査機関が事実上の"辞退勧告"
を迫ったのは、ものすごい人混みに圧倒されたのが一因かもしれない。
景観を軽視した開発を厳しく指摘する声も少なくなかったようだ。
残念な結果ではあるが、景観こそが古都の顔である。
建物の色や形を含め、まち全体の統一感が保たれなければ、
訪れた人も興ざめする。歴史や文化が息づく美しいまちは
鎌倉だけでなく全国の都市に突き付けられた課題と受け止めたい。
頑張り屋の見本
- 2013年8月14日 19:07
- M.N氏の岡目八目
暑さに体力を奪われたか。また失速か。世界陸上女子マラソンで
福士加代子選手が先頭集団から遅れ始めた時、テレビを見ていて、
やきもきした。だが、この無類の頑張り屋を天は見捨てなかった。
間もなく3位メルカム(エチオピア)が落ちて目の前に迫ってきた。
途端に元気を取り戻すあたりが福士選手らしい。抜き去る姿が
実にたくましく、これまでと違う力を感じた。
銅メダルのゴール直前、何度もこぶしを握りしめていた。
まぶしいほどの満面の笑みだった。「こんなにうれしく走ったことはない」。
苦しい日々に耐えてきたからだろう。跳びはねたり抱き合ったり、
と喜びが止まらなかった姿だった。
終盤の失速を克服する練習は順調というわけではなかったそうだ。
監督からも「もうやめよう」と言われ、涙を流したこともあったという。
「マラソンは苦しんだ者勝だよ」。アテネ五輪金メダリスト
・野口みずき選手の言葉をかみしめ、頑張ったという。
「トラックの女王」と言われながら、マラソンではスタミナ切れで
ぶざまな姿をさらしたこともある。それでも、挑戦し続け、結果を出した。
勇気づけられた人も多いだろう。仕事や勉強がうまくいかなくて、
めげそううになっても、一生懸命、頑張れば道は開ける。
福士選手が身を持って教えてくれた女子マラソンだった。
終戦から68年
- 2013年8月 8日 09:47
- M.N氏の岡目八目
昨日は広島市で原爆戦没者慰霊式と平和記念式が営まれた。
9日は長崎市でも式典が行われ、15日は終戦の日だ。
この10日間は核廃絶と恒久平和への思いを新たにする時期だ。
1945年8月6日に原爆が投下された広島市では当時の人口
約35万人のうち、同年末までに約14万人が死亡したとされる。
今でもなお多くの被爆者が放射線の影響による健康被害に
悩まされている。
原爆投下と終戦から68年経った。被害者と戦争体験者の
高齢化と減少が進む。戦争体験を風化させずに後世へ伝えようと、
今月は各地でさまざまな催しが開かれる。息の長い取り組みこそ、
今を生きる人たちの大切な役割に違いない。
広島市の式典には原発事故で被災して放射線への不安を
抱える福島県民も昨年に続いて出席さされたようだ。同県浪江町の
町長さんは「関東より西では、原発事故が風化しているきらいがある」
と話されたという。
「原発は絶対に安全」と言われ続けて事故は起きた。
経済成長も国民生活の安定も重要だが、平和と安全が大前提だ。
世界唯一の被爆国であり、深刻な原発事故も経験した日本
だからこそ、政府は国民の声を謙虚に聞きながら、国の進路を
慎重に定めるべきだ。
新駐日大使に期待する
- 2013年8月 5日 19:28
- M.N氏の岡目八目
日本と米国との外交は、1853(嘉永6)年の黒船来航
によって幕が上がる。この時、米国を代表した提督こそ
マシュー・ペリー。その後、初代の駐日総領事としてタウゼント・ハリス
が赴任し、日米修好通商条約などを結んだのは史実の通りだ。
第2次世界大戦以降の駐日大使を見ると、日本人の妻
を持ったエドウィン・ライシワーやカーター、レーガン両政権時に
約12年も重責を務めたマイケル・マンスフィールド、副大統領
経験者でもあったウォルター・モンデールが有名だ。そして
3年前の夏、広島平和式典に初めて参加したジョン・ルース
らがいる。
その米国のオバマ大統領は、次期駐日大使として、
キャロライン・ケネディ氏を指名することを発表した。
日米の長い外交史の中でも米国が駐日大使に女性を起用
するのは初めてだ。上院での承認を経て秋にも着任する。
彼女の父親は、あのケネディ元大統領(JFK)。さらに、
叔父には元司法長官のロバート・ケネディや元上院議員の
エドワード・ケネディなど、有力な政治家がおり、米国内では、"
ケネディ王朝"とも称される。
ただし、キャロライン氏の政治的な手腕は未知数。今回の起用は、
オバマ大統領の有力な支援者であったことが最大の理由とされ、
今後の日米関係にどのような影響力を持つかは不明だ。
水を大切に
- 2013年8月 2日 18:00
- M.N氏の岡目八目
現代生活に欠かせないものは多々ありますが、必需品は
電気と水。どちらも手に届かなくなったら一気に生活が混乱します。
ただ、電気は凌(しの)ぎようがありますが、水はそうはいきません。
生命に関わるからで、故に水の大切さが叫ばれています。
幸いわが国は恵まれています。
飲み水として世界的評価の高い上水道を亨受し、下水道も普及
しています。しかも雨不足や災害で施設の破損を起こさない限り
断水も少ない。「あって当然」という感覚にマヒしてか、贅沢に使える
水への感謝は奇薄のようです。だが、水も無限ではありません。
雨不足が続いたり、使用量が増えると影響がでてきます。
節水が呼びかけらるのも絶対量の懸念からです。1年を通して
最も使用量が多いのは8月といわれます。この月に水の
大切さを考えて欲しいのです。ということで「水の日」が
設けられています。
あまり知られていないのが残念ですが、その日は8月1日です。
7日までは「水の週間」です。世界には水に苦労している国が
少なくありません。そこに思いを寄せると、水を大切に使う運動が
もっと広がって欲しいと思います。川崎市でも地下街アゼリアで
上下水道局主催で「川崎水水フェアー」のイベントが開催
されています。
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