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2014年3月 Archive

春眠

毎年、この季節になると「春眠暁を覚えず」という詩が
身近に感じられます。人に必要な睡眠時間は、
加齢とともに減っていきます。厚生労働省によると、
減少するのは20年に約30分。10代前半までは
平均8時間以上の睡眠が必要だが、25歳になると
約7時間、45歳では6時間半、65歳では6時間で
十分といいます。

若いうちは十分な睡眠をとり、疲労をためないことが
大切だが、年齢が高くなると、さっさと起き上がって
生活にメリハリをつけたほうが健康にはよいそうだ。
若いころは慢性的な睡眠不足だったが、高齢者の
仲間入りをしたいまは5,6時間眠れば自然に目が覚める。
逆に、以前はどんな場所でも眠れたが、最近はそうでもない。
国は近く睡眠管理の指針を出すそうだ。


私が書かせていただいたブログ「岡目八目」も約6年間
521編を筆しました。今日をもって最後といたします。
浅学非才の私の筆をお読みいただいた方々に心から
感謝申し上げます。これからは蛇の脱皮のように、
古い皮を脱いで若者のように飛躍した考えを保持したい
と考えております。

 

超高齢化社会の対応

医療や介護の専門家が「2025年問題」に危機感を
募らせている。11年後は団塊世代が全員75歳以上に
なる年だ。その時点で3人に1人が65歳以上となり、
認知症を抱える人は470万人に達するとされる。

当然ながらその後も高齢者は増え続ける。一方で、
社会保障を支える現役世代が増える見込みは全くない。
巨額の借金を背負う国の財政も、青息吐息の状態だろう。
そうした中で25年以降の約20年をいかに乗り切るか。
関係者が頭を悩ませているのは、そこである。

病院のベッドや介護施設を増やして対応しようにも、
間に合わない可能性が高い。高齢者で埋まった病院を前に、
一刻を争う救急患者が受け入れ先を求めてさまよう事態も
指摘され始めた。目前に迫る超高齢社会は、それだけ厳しい
ものになるということだ。

だからこそ、高齢者がこれまで通りの医療や介護を受けながら、
地域で住み続けられる体制づくりが叫ばれているのだろう。
ただ、人口構成や面積など地域によって事情はさまざまに異なる。
在宅医療ができる医師の養成はもとより、介護現場で働く人材も
確保しなければならない。

日本の医療と介護を大転換させる取り組みになるだろう。
だが、目の前にそびえる山を乗り越えなければ展望が開けない。
残された時間はわずかだ。腹をくくって動き始めるしかない。

子どもが見えない

自治体の教育行政の責任者を明確にしたのはいい。
教育長と教育委員長を統合する新「教育長」がそれだ。
だが、その任命権は首長にある。問題があれば罷免もできるが、
その際は任命責任も問われよう。より心配なのは首長が教育に
「政治介入」しないかだ。

教育委員会制度改革を検討していた自民、公明両党の
作業チームが合意した改革案だ。首長が主宰し新教育長や
教育委員らで構成する「総合教育会議」を新設、教育行政の
指針などを決める。

教育に自分の意向を反映できることを喜ぶ首長は多い
ことだろう。問題は、首長が選挙で変わると教育方針も変わる
可能性があることだ。首長が自分の教育理念と異なる見解を
持つ人物を新「教育長」に据えるはずはない。

学校現場はどうなるのか。先生の教えが翌日、正反対になったら
子どもたちは何を信じていいのか分からなくなるだろう。
教員もストレスが募り、心の病による長期病欠がさらに増える
かも知れない。

自公が合意を急いだ背景には、難航が予想される集団的自衛権
をめぐる与党協議が控えているためという。「国の礎」とされる教育が、
防衛問題より格下扱いされた。

教育の中立性はどう担保されるのだろうか。いったい誰のための
教育委員会改革だったのか。消化試合のような改革論議に、
子どもの姿は見えなかったのだろうか。明治生まれの亡き父、
団塊時代の弟が元教育者だっただけに考えさせられる。

部屋探し

3月といえば"旅立ちの季節"である。進学や就職に伴って
親元を離れ、この春から一人暮らしを始める若者たちも
多いだろう。そうなると当然、アパートなど部屋探しも本格化する。
立地や家賃、間取り・・・。

最近の部屋探しはどうか。不動産情報サービス会社が昨秋、
全国で一人暮らしをしている学生や社会人を対象にアンケートを実施。
男女合わせて2074人から回答を得た。その結果から最近の
傾向が垣間見える。

まずは平均家賃。学生は5・9万円、社会人は6・3万円で、
ともに前年より上昇したそうだ。また男女別では学生、社会人とも
女性の方が高い部屋に住んでおり、特に女子学生の場合、
当初の予算よりも高い物件に入居していることが大きな特徴のようだ。

次は家賃以外で重視した点。学生では「通学時間」が1位にランクされ、
2位が「最寄り駅から近い」など利便性。これに対して社会人は
「間取り・広さ」がトップで、居住空間に重きを成している。さらに、
女性の場合は学生、社会人を問わずセキュリティーを重要視している。

このほか設備面に目を向けると、学生、社会人の双方とも
「独立したバス・トイレ」を探す傾向があるようだ。これ以外では
「フローリング」や「収納スペースが広い」とのポイントを挙げている。
これと逆に妥協した点では「防音」が多く、女性は理想が高い反面、
諦めた設備も多いそうだ。部屋探しの方法は、パソコンなどを
駆使しての情報収集が多いとのことだ。

アンネの日記

東京や横浜の図書館・大手書店で「アンネの日記」や
それに関わる書籍が破られる事件が相次いでいる。
警察は捜査を始めた。ユダヤ人迫害に関係する本が
集中的に狙われていて、世界に衝撃を与えている。

第2次世界大戦中、ナチスの迫害を逃れて
アムステルダムの隠れ家で暮らしたユダヤ人の少女アンネ・
フランクが書き残した日記で、世界的ベストセラーでもある。

ナチスの恐怖におびえながらも、少女らしい夢や好奇心を
つづった文章は胸を打った。「わたし望みは、死んでからも
なお生きつづけること!」の一文に、うなづいた人も多いはずだ。
そのアンネの夢や希望が、再び引きちぎられたようで悲しい。

忘れてはならない歴史を伝える象徴的な本を切り裂くのは、
そこに書かれた歴史を否定する行為である。
誰が、なぜの疑問は尽きないが、破られた本の代わりにと
関連本を寄贈する市民の動きに気持ちが救われる。

社会のさまざまな場面で、理不尽な「暴力」が露出し始めている。
ささやかではあっても一人一人が自分の中に
「抵抗の砦」を築いていくことが大切だと感じる。

NHKの役割

NHKが激震に見舞われている。会長は不適切な発言を繰り返し、
経営委員からも物議を醸す発言が相次いだ。会長は就任直後、
10人の理事全員から日付を空欄にした辞表を提出させていた
ことも発覚した。発言は放送法の「政治的な公平」に抵触する
可能性があるし、事前に辞表を提出させる行為は、現場からの
異議を封じることにつながる。

菅官房長官は会長らの発言について「放送法に反するもの
ではない」と弁明したが、それを真に受ける人がどれほど
いるだろうか。すでにNHKには賛成に倍する批判的な意見が
寄せられているそうだ。

読みたくない新聞は購読しなければいい。しかし、テレビは
そうではない。購入しただけで月々1200円余りの受信料を
NHKに支払わなければならない。言い換えれば、主人公は
受信料を負担している側である。NHKが国営放送ではなく
公共放送である理由はここにある。

報道機関は政治を監視する役割を担っている。政府の宣伝機関
ではないし、時の政権に追従するのが目的でもない。だからこそ
放送法にも「放送の不偏不党」や「健全な民主主義の発達に
資すること』という規定があるのだ。

公共放送には、公平さと高い倫理観が求められる。
多様な声に耳を傾け、少数意見に目を配る寛容さも必要だ。
そういう組織のトップが自己の信条を押し付け、独裁的に
振る舞うのはいかがなものか。

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