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サラリーマン川柳

春闘が始まり、労働側は景気回復のための原動力として
賃上げを要求するのに対し、経営側は「実体が伴うのが先」
と慎重な姿勢を崩さない。物価が上昇して給料据え置き
では生活が苦しい。
労働者には、自由に使える小遣いにも影響するから
交渉の行方が気になる。

そんな給与所得者の哀歓を詠んだ恒例のサラリーマン川柳
(第一生命保険主催)の入選作100句が発表された。
あり得ないような内容でも、大いに笑ったり共感するのは、
世相を映し、職場や家庭の真実を鋭く突いているからだろう。

世代間のずれには特に職場で顕在化している。
新入社員だろう「軽く飲もう上司の誘い気が重い」。古参社員は
若者気質に手を焼く。「電話口『何様ですか?』と聞く新人」
「頼みごと早いな君はできません」。家に帰れば夫・父としての
権威低下に直面する。

「部下にオイ孫にホイホイ妻にハイ」「父の日は昔ネクタイ今エプロン」。
職場でも家庭でも孤立して、IT機器だけが心の頼り。
「人生にカーナビあれば楽なのに」「悩み事話すはコンシェルジュ」。
悩みは尽きない。

やぼを言えば、女性の就職率が向上し夫婦共働きが
増える中で、依然として男性視点の類型的な作品がほとんど
占めるのには違和感もある。逆に言うと、自虚ネタは、
まだまだ職場も家庭男性中心に動いている余裕の裏返し
かもしれない。少しはほっとしている。

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