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日野原重明さんの講演

先日、聖路加国際病院理事長の日野原重明さんの講演を聴いた。
長寿や健康の秘訣を伝授する講演は人気があり、会場は満員だったが、
この日の演題は「緩和ケアの今後の課題」だった。それでも
終末期医療の実態をユーモアを交えてしゃべられ、時折会場を
沸かせておられた。1時間、つえも手にせず立ったままだった。

避けられない最期を見つめたことが2度ある。義父と友人だった
同級生の死。どちらも末期がんだ。義父は最初、緩和ケア病棟へ
入ることを拒んだが、痛みに耐えかね処置を受け、眠るような最期を
迎えた。友人は自宅での最期を選んだ。通夜で親父さんが
「あんなに苦しむとは」と目頭を押さえていた。

日野原さんは「身内を失うと自分の過去を失う。といわれる。
友を失うと自分の一部を失う」といわれる。失ったものは慰めの言葉では
埋めきれない。「時間が解決することを信じること」なのだ。
緩和ケア施設は大幅に不足しているそうだ。縁者が身近にいない
独居高齢者の最期をだれが看取るのか。

施設増に取り組む日野原さんは「患者が納得するケアを施し、
最期に感謝の言葉と気持ちを引き出すのが寄り添う人の使命」
といわれる。穏やかな表情だが、101歳の重鎮の言葉は重い。

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