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中国・四川省地震

巨大サイクロンがミャンマーを襲った衝撃の冷めぬうち
今度はマグニチュード7.8の巨大地震が中国の内陸部を襲った。
身構え、足を踏ん張っても立っていられない。

人が働き学び、活動している時間帯である。そこを激震に見舞われた。
学校の倒壊現場では夜通しで、生き埋めとなった生徒たちの捜査が続く。
ひしゃげた筆箱、ぼろぼろのリュックサック。傍らで泣き叫ぶ親の姿。
写真を、映像を直視できない。
次々と飛び込んでくる被害のすざましさに慄然(りつぜん)とする。

倒壊した学校や病院,民家の周りで続く人海戦術の救出作業が痛々しい。
被害は日を追うごとに死傷者の数は増え、中国・四川大地震は悲惨の一途を
たどる。テレビでは連日、崩壊事態となった、がれきの町が映し出され
放り出された、被害者の叫び声が痛々しい。
震源地周辺の様子が明らかになるに連れ
死傷者や行方不明者がさらに増える恐れもある。

四川省は温暖な気候と肥沃(ひよく)な土地に恵まれ「天府の国」と呼ばれた。
それが一瞬にして地獄絵に変わった。  
古くは三国時代、諸葛孔明(しょうかつこうめい)や劉備(りゅうび)の活躍の
舞台となり、愛くるしいジャイアントパンダの故郷である。
激辛の四川料理を思い浮かべる向きもあろう。観光地としても人気は高く
数千メートルの山中に透明度の高い湖沼が点在する九寨溝(きゅうさいこう)は
世界自然遺産の一つである。
四川省や重慶市には日系企業が多く、日本と経済的なつながりも深い。

「暖かい春の旅」と自ら称した日本訪問から戻ったばかりの胡錦濤国家主席は
救助活動に全力をを挙げるように指示し温家宝首相を地震発生の当日被害地に
向かわせ後日、主席自らも被害地で状況の把握や救出の指揮をとっている。
軍などの救援隊も間をおかず現地に向かい、作業に当たっている。

隣人の災難だ。一刻も早く、立ち尽くす人たちに援助の手を差し伸べたい。
国外からの支援も力に、災禍(さいか)を何とか乗り越え3ヶ月後に控えた
五輪の成功に向けてほしい。

災害のたびに感じるのは「自然を甘く見ていないか」ということである。
どんなに科学技術が進んでも、自然現象から逃れることなど不可能だ。
謙虚に自然と向き合い、地道に備えていくしかない。

自然の猛威に人間は何と無力なのだろう。でも無力だからこそ国境や
政治体制を超えて、みんなが手を取り合い、力を合わさなければと思う。
被災した人たちの救助を何よりも優先させ
阪神大震災などで経験した日本の災害対策ノウハウを積極的に提供し
一人でも多くの罹災者を救えたらと願うものです。

(M.N)

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