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大記録の重み

最近すごいと思ったのは米大リーグ、タイガースのガララーガ投手の言葉。
先日九回2死まで完全試合ペースで投げ
最後の打者も内野ゴロに打ち取ったかに見えた。

一塁累進の判定は「セーフ」。タイガース側は猛抗議したが、覆らない。
しかし、映像で確認しても完全なアウトで、この塁審は試合後
「世紀の誤審」を謝罪した。謝罪を受け入れた28歳の投手はこう言った。
「人のやることにすべて完璧ということはない」。

1本のヒットは無論のこと1個の四死球も味方のエラーも許されない
完全試合は投手の夢。大リーグでは今季
史上初めて既に2度記録されたが、近代野球の1900年以降
この2人を含めても18人しか達成していない。

「成らずば誹(そし)れ」という。自分の思うように事が運ばなかったら
他人のせいにしてなじりたがるのが人の常。
ガララーガ投手はそんな気持ちになっても不思議ではないのに
記録訂正を訴えるつもりはないという。

大相撲で「世紀の誤審」とも言われるのは、
横綱大鵬が46連勝を懸けた1969年春場所の一番。
際どい勝負となり、物言いの末、大鵬の負けとなったが
相手力士が先に土俵外に出た、との見方もあった。
騒ぎをよそに大鵬は報道陣にこう応対した。
「横綱が物言いのつく相撲を取ってはいけない。自分が悪い」。

スポーツ精神は裏打ちされた言葉には、大記録に負けない重みがある。

(M.N)

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