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神田神保町

東京の神田神保町は、180近い店が集まる
世界一の古本屋の街だ。
辺りを歩くと、浮世絵や漫画の専門店などの個性的な店が見つかり、
飽きることがない。
 
四季折々に催しが開かれる。
秋の「神田古本まつり」はとりわけ有名だ。
歩道にワゴンが並び、本好きやコレクターでにぎわう。
今年は天気に恵まれなかったが、それでも雨の切れ間には
人波が絶えなかった。

八木沢里志さんの小説「森崎書店の日々」(小学館文庫)は
神保町が舞台だ。今秋、映画にもなった。
恋に破れたヒロインの貴子は、叔父が営む古書店に住み込むようになる。
読書の楽しみなど知らなかったが、
神保町の人々や本と接するうちに癒されていく。

ある本には押し花のしおりが挟まれいる。
梶井基次郎の小説「ある心の風景」を読むと、ぺんで線を引いた箇所があった。
前の持ち主が感銘を受けたのだろう。
どんな思いで読まれたのか想像してみた。
そんな場面が古書の楽しみ方を象徴する。

神田古書店連盟がつくった案内書にはいろんな店を紹介している。
司馬遼太郎さんは生前、執筆のため軽トラックいっぱいの古書を
購入されたそうだが、まだまだ「お宝」はひしめく。
広重の浮世絵もあれば、フランスで200年以上前に出た
「百科全書」にも出合える。

楽しみは古書に限らない。一休みできる喫茶店やカレー店も多い。
読書の秋だ。歩くうちに、いつしか時を忘れさせる、そんな街である。

(M.N)

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