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縮み社会に抗して

「サラリーマンは、気楽な稼業ときたもんだっ」と植木等さんが
歌ったのは、50年も前のことだ。時代は高度経済成長にかじを切っていた。
所得倍増の掛け声にあわせて朝は朝星、夜は夜星、人々は脇目も
振らず働いた。

テレビに冷蔵庫、洗濯機は高価だったが、生活を切り詰めれば
手が届いた。三種の神器と呼ばれたそれらの製品が、明日は今日より
よくなるという成長神話を描いてくれた。株価も上がるし地価も上がり
続ける。人々はローンを頼りにマイホームの購入に走った。

そういう流れに影が差して久しい。人口は長期にわたって減り続け、
企業活動も消費も低迷を続けている。税収は減り、勤め人の給料も
上がらない。懸命に働いても、分配に充てる成功の果実は小さくなる
ばかりだ。逆に年金や医療費の負担は増えていく。

政治家も小さくなった。国家の経綸(けいりん)を述べるより、
小さくなった果実の奪い合いに血道を上げる方が重宝される。
それを怠れば、選挙で落とされる。それが政治という器をますます
小さくさせる。

そういう時代をいかに生きるか。先日、大学で働く友人と話し込んだが、
結論は「頭に入れれば重くない」。とにかく教育に力を尽くし、
若い人の知的思考力を養うしかないのではないか。ということに落ち着いた。

知力と国境を越えて暮らしていける体力。それさえあれば、落日の時代にも
和やかに生きていける。もっと、教育に目を向けたいとつくづく感じる。

(M.N)

 

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