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棋士対コンピューター

正月早々、暇を持て余した小学生の孫が珍しく将棋を指そうという。
久々の一番は完敗。おかげでほろ酔い気分もさめてしまったが、
子どもの成長を垣間見たひとときでもあった。わざと負けて
喜ばせたころが懐かしい。

人よりも成長著しいのが将棋のコンピューターソフト。
暮れに亡くなった米長邦雄永世棋聖が1年前、敗北を喫したのは
記憶に新しい。現役でないとはいえ日本将棋連盟会長だ。
衝撃的だった。棋士対コンピューターの次回対決は3~4月。
今度は現役プロとの真剣勝負となる。

チェス、シャンチー(中国)、チャンギ(朝鮮半島)など世界に
多様な将棋がある中、持ち駒を使うのは日本将棋のみだ。
異民族との戦争がまれで敵兵の「寝返り」が珍しくなかった
日本ならでは、との指摘もある。いずれにしろ,このルールが
ゲームを極めて奥深いものにした。

一方、ソフトも飛躍的に進化した。米長さんを破った
「ボンクラーズ」は、1秒間に約1800万手を読むつわものだ。
米長さんはその弱点を研究し尽くし、人間相手では使わない
指し手でかく乱した。しかし、後半の致命的な「見落とし」で投了。
経緯は自著『われ敗れたり』(中央公論社)に詳しく記されている。

本はミスの裏にあった、ある事件にも触れていられる。
夏休みに記者から突然写真を撮られて立腹された。
「平常心を失った」と悔やまれる。いかにも人間らしい負け方に、
ほっとさせられる。チェスの世界王者がソフトの軍門に下って15年。
果たして将棋は。米長さんも気をもんでいられるに違いない。

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