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春よ来い・早く来い

春に三日の晴れなし、と言うが
今年は、その印象がいつになく強い。
「春小雨、夏夕立に秋日照り」のことわざがあるように
小雨の煙る春は豊作と昔から言われてきた。

春の雨が植物に欠かせないのは
鉢植えなど見ていると良く分かる。冬の間
地上部を枯らしていた草花が雨を受けて次々に芽を出してくる。
「長い冬を無事越してくれたか」と草花を愛する人には
うれしいときである。

仏教で因縁生起(いんねんしょうき)を解説するのに
よく植物が持ち出される。種子という直接の”因;に
太陽や水といった間接的な”縁;が加わって初めて命が芽生え
成長するという例えだ。
暖かい雨と穏やかな太陽が頻繁に入れ替わる春は
その縁が出そろう季節なのだろう。

無論、中にはいっこうに芽を出さない鉢もある。
調べてみると、根の痕跡を黒くとどめて活死していたりする。
多くは水のやりすぎか逆にやらなさすぎであるようだ。

言うなれば過保護か放任。そのどちらもが
美しい花を咲かせるはずの植物をだめにする。
何だか子育てや教育に通じる話である。
それを思えば、たかが草っぱとおろそかにはできない。

「春の日と親類の金持ちはくれそうでくれん」という
ことわざもある。暮れると呉(く)れるを掛けたしゃれだ。
春雨も風流だが、うらうらと暮れそうで暮れぬ春日は
もっと粋か。春雨を繰り返しながら
爛漫の春がやってくる。
孫がベランダから「今日も雨か」と言いながら
退屈そうな姿を見ると「春よ来い・早く来い」と願いたい。

(M.N)

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