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高橋是清さんの財政学

東京・日本橋の日銀本店旧館は
石造建築物の傑作とされる。
1896(明治29)年の完成だが、工事中
後に歴史に名を残す人が現場監督を務めている。
二・二六事件で暗殺された高橋是清さんだ。

当時の高橋是清さんは一介の事務主任だったが
どんどん能力を発揮して日銀総裁に上り詰められた。
政界から手腕を買われて大蔵大臣となり、首相も務められた。
でっぷりとした体躯[たいく]で愛称は
「だるまさん」と呼ばれたそうだ。

一方で「日本のケインズ」とも言われたそうだ。
公共投資の乗数効果を唱えたのは経済学者ケインズだが
高橋是清さんにも独自の”芸者理論”があった。
いわく、「芸者遊びで2千円を使ったとしてもその金は転々として
農工商漁業者の手に移り、20倍、30倍になって働く」と。

「個人は2千円を節約するほうがいいが、国の経済は違う」
との例え話だ。そんな豪放な言い方ながら
経済政策と財政の微妙なバランスを図り、昭和恐慌を乗り切った。
さて、平成の不況を前にしたら何と言われるだろうか。

内閣府の試算によると、1~3月期の需要不足は
年45兆円にもなるという。
足りない分を公共投資で補うのは当然で、
だから過去最大の14兆円の補正予算が組まれたが
中には批判される妙な支出もある。

国の借金は膨らみ、政府の「骨太の方針2009」では
財政再建を10年先送りにするらしい。
積極財政主義と見られがちな高橋是清さんだが
「借金政策は永続きせず」との言葉を残された。
果敢ながら、慎重に先を見通していられた。
そんな政治家は今はいられるだろうか。
是非いて欲しいのだが。

(M.N)

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