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銅像

国会議事堂の中央広間の4階に、3人の銅像がある。
衆議院と参議院の真ん中だ。
高さ32メートルの広い空間だ。
板垣退助と伊藤博文、大熊重信の銅像だ。
言わずと知れた明治の元勲だが、そこに建てられたのは
憲政の功労者として評価されたからだった。
1938年に銅像になった。

国会開設を求めて自由民権運動を起こした板垣退助
明治憲法を制定した伊藤博文
初の政党内閣を組閣した大熊重信の銅像が
台座に建っているが、四つ目の台座に銅像がない。

なぜなのか、参議院事務局の説明によると二説あるという。
一つは、四人目を誰にするか決められなかったため
将来に持ち越されたとする説。
もう一つは「政治に完成はない」との
メッセージを込めた未完の象徴という説だ。

謎を秘めたこの台座を含め、国会議事堂の参議院側は
誰でも見学することができる。
原則として衆院議員の紹介がないと見学できない衆議院と違い
参議院では平日は一時間ごとに参観を受け付けており、
窓口で申し込めば一時間で見て回れる。
案内役は警備担当の衛視だ。
両院の衛視は国会の役割や議事堂の歴史を
見学者に説明することも職務の一つ、という。

衛視から二院制の説明を受けながら
参議院の存在意識を考えさせられた。
1947年の第一回選挙で無所属議員108人が当選し
各政党を抑えて最大勢力となった。
無所属議員たちは院内会派「緑風会」を結成し
政党が覇 を競う衆議院と一線を画した。

党派にとらわれない自由な伝統は今やなく
「良識の府」でも政党間の駆け引きばかりが横行した                             ねじれ国会だった迷走ぶり、政権交代された今回の選挙を
3人はどう見ているのだろうか。

(M.N)

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