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上海万博閉幕

半年にわたる中国・上海万博が幕を閉じた。
入場者数は目標の7千万人を突破し、1970年の
大阪万博を抜いて史上最多。
温家宝首相は「成功」と胸を張られた。

2008年の北京五輪に続く重要な国威発揚の場。
大きな混乱もなく終えたことに、中国指導者は
自信を深めていられることだろう。
多くの国民も同じような思いだろう。
先進国の仲間入りを目指す一歩だが問題はこれからだ。

40年前の大阪の熱狂を思い出す。
未来の科学技術などに、多くの人々が酔いしれた。
ただし、生みの親の一人である作家の小松左京さんらが
述懐しているように、「人類の進歩と調和」という
テーマがどれだけ理解されていたかは疑問だ。

上海が揚げたのは「より良い都市、より良い生活」。
科学技術によって環境を重視した都市づくりを進める、
ということのようだ。環境より経済発展を優先させる空気は
まだまだ色濃いから、国全体の大きな転機になってほしいと願う。

人々が「より良い生活」から思い浮かべる姿はさまざまだろう。
大阪万博後の日本のように、さらなる豊かさを追い続けるのは
むろんだが、一方では人権の重視や政治の民主化などを
求める声が強まる可能性もある。

「中華民族100年の夢」の万博が閉幕したいま、
中国に果たして変化が生まれるのかどうか。世界各国にとって
好ましい方向への変身なら、いうことはないのだが。


(M.N)

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