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日韓の絆

東京のJR新大久保駅のホームに降りたら、食欲をそそるにおいがした。
周辺はコリアタウンと呼ばれる。昔から韓国料理店が多かったが、
近年さらに増えて狭い路地までハングルの看板がひしめく。

休日は大変なにぎわいで、少女時代やKARAといった
韓国音楽グループが人気の昨今は、CDやアイドルグッズを売る店が
特に混雑している。昔からの住民には戸惑いもあろうが、
街を訪れる日本人は引きも切らない。

「冬のソナタ」で火が付いた韓流ドラマも根強い人気で、
放映が途切れることがない。長年「近くて遠い国」といわれ、
いまだに歴史や領土の問題を抱える日韓両国だが、
市民レベルでは心の垣根が以前よりずいぶん低くなったと思う。

新大久保駅といえば、ホームから落ちた男性を助けようとして、
韓国人留学生・李秀賢さんと日本人カメラマンが亡くなった事故から
10年がたつ。駅には二人の顕彰碑がある。

命日の1月26日に合わせて開かれてきたしのぶ会は今年が最後だった。
しかし、李さんの勇氣ある行動がきっかけで始まったアジア人留学生への
奨学金活動は続けられ、秋の奨学金授与式で故人を引き続き追悼するという。

奨学会によると、見舞金や寄付を元に日本語を学ぶ485人を支援してきた。
発案者である李さんの父親も長く続けることを願っていられるそうだ。
その思いを大切にして、日韓の絆をさらに深めたい。

(M.N)

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