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春一番

  • 2012年3月 1日 09:17

昨年11月に天皇陛下が気管支肺炎で御入院されたとき、
宮内庁は「ご疲労が相当蓄積し・・・」と説明した。それでも陛下は
病室にパソコンを持ち込み、式典で皇太子さまが代読する
あいさつ文を自分で作成されたそうだ。

無理をしてでも務めと向き合おうとされる。周辺の人は
「元来きまじめすぎるほど、きまじめに公務を果たされてきた」と言う。
国民と接する機会を大切にする姿勢は一貫して代わることがない。

国事行為や式典出席、宮内行事など陛下の務めは多岐にわたる。
1年間に900件以上の内閣の文書に署名・押印し、行事への参加は
200回を越える。園遊会などの前には出席者の資料に目を通して
声をかけられる。
 昨年は東日本大震災の被災地訪問が加わった。7週続けて
各地の避難所を回り、皇后さまと一緒にひざを折って被災者と
語り合われた。国民と悲しみも共にする「象徴天皇」をあらためて
実感させられた。

心臓の冠動脈バイパス手術を受けられた。9年前の前立腺がん
摘出以来の手術だった。1年前の検査時に比べ狭窄(きょうさく)が
やや進行していたという。今後の公務を支えるための手術でもあった。

78歳で陛下ほど忙しい方は民間でも少ない。公務の負担を減らす
きっかけになされたらと思う。両陛下だけの時間をもっと持って
いただきたい。国民の願いだ。順調なら2週間ぐらいで御退院されるようだ。
その時に見られるはずのお二人の笑顔が、列島にまずは春一番を運ぶ。

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