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2020-12-25
皇居・半蔵門の向かいの国立劇場で、先週家内が
日本舞踊の会に出演しました。この界隈にはある意味で
日本を代表すると言える建物2棟が存在しています。
地下鉄の名にもある半蔵門は、広大な皇居の西端にあたり
東の大手門と正反対に位置していて、天皇や各皇族が日常
皇居への出入りするときは主にこの門が用いられるそうです。
名前の由来は、警備担当だった徳川家の家来・服部正成
正就父子の通称「服部半蔵」から来ているとのこと。
伊賀忍者で有名なのはこの家系の初代でした。
半蔵門駅で降りてお濠端へ出てから内堀通りを右に折れると
外壁が木材を井桁に組み上げたようないわゆる校倉造り風の
横方向がとても長い建物、国立劇場が出現します。
伝統芸能の上演を目的にした劇場の建設は戦前から何度か
検討されたそうですが実現せず、昭和30年代になってやっと
計画が具体化して設計コンペが行われ、竹中工務店・設計部の
岩本博行案が当選し、昭和41年に竣工しました。
1746席の大劇場と630席の小劇場ほか、資料室や研修室
などから成り、家内はこの小劇場に出演。このコロナ禍で
楽屋の出入りも検温・消毒など劇場係がピリピリしている中
「鷺娘」を約30分舞って滞りなく終演、私もホッとしました。
国立劇場に隣接する最高裁判所は、昭和44年に改築のための
設計コンペが行われ、鹿島建設・設計部の岡田新一案が当選し
昭和49年に完成、その頃建築科に在学中の私は見学会に参加しました。
こちらの外壁は白い御影石張りで司法の頂点という重厚感を出し
内部もほぼ御影石張りで少し寒々しく感じたおぼろげな記憶が…。
岡田氏はこれを契機に独立して様々な公的建築を設計しています。
その時、写真を撮った気がしたので探すと出てきました!そして
権威の象徴としての威圧感は約47年前の記憶の通りでした。
テーマ名
ページ作成日 2020-12-25
2020-10-27
品川駅の高輪口を降りて、第一京浜国道を横浜方面に
少し戻ると舗道の右側に突然高い石垣が現れます。
この辺りは江戸時代から徳川家の鷹狩りや接待用の
御殿があったことから御殿山と呼ばれた場所で
三菱財閥・岩崎弥太郎の弟、弥乃助が伊藤博文の屋敷
16,500坪を購入して1908年に別邸を建てました。
「開東閣」とは“客を待つ”という意味だそうで、終戦後
10年間GHQに接収された後三菱地所の所有となり
三菱グループ28社が運営する迎賓館として今に至っています。
数年前知人が邸内を見学したことを偶然知り、ツテが
あれば行ける!とコネクションを探したのですが叶わず
忘れかけていたところ、今回の機会に恵まれました。
入館は1日に4組以内というのをあとから知りビックリ!
設計は英国人建築家ジョサイア・コンドル。鹿鳴館や
三菱1号館など明治期の代表的な建物を手掛けた彼ですが
開東閣は日本では他に類を見ない重厚な邸宅建築です。
石垣に沿って進むと門が見え、意外にも開いていました。
敷地内の道路を上ってくと広い塀が現れ、その向うにやっと
建物が見えてきました。まるでヨーロッパの森の中の館のよう。
夕暮れが迫っていたので私たちは先ず庭を散策。5人の専任の
庭師が手入れする芝生は厚みが5㎝くらいあり、絨毯のように
歩くとふかふかします。薄暮のバラ園を見学したあと館内へ。
広いバルコニーを見てから1964年に大改修が行われた
内部を見ると洋の中に和の味わいがあり、明治の大邸宅が
こうして保存されているのに感銘を受けました。この日のことは
創業100周年の年の忘れられない思い出になりそうです。
テーマ名
ページ作成日 2020-10-27
2020-08-15
昨年の正月、神宮外苑にある明治記念館で行われた
賀詞交換会に出席した帰り道、周りを散歩すると近くの
新国立競技場は完成間近で、向かいはホテルが建設中でした。
オリンピックは延期、この夏休みも遠出はできないので
神宮外苑を散策してあのホテルに泊ってみようと考えました。
チェックインすると部屋のベランダの目の前に競技場が!
さらに屋上のルーフテラスからは全景が眼下に広がります。
部屋の中より
屋上テラスより
神宮・絵画館の見学がメインの目的。銀杏並木の一番奥の
この建物は、私にとって神宮外苑の風景の一部になっていて
いつも前を通過するだけで、見学できることを始めて知りました。
神宮外苑ができたのは大正15年。明治天皇と皇后の遺徳を
後世に伝えることがその目的で、全国民の寄付と勤労奉仕
によって完成され、明治神宮に奉献されたとのこと。
絵画館の正式名称は「聖徳記念絵画館」。神宮外苑には
野球場等もありますが、建設主旨からして絵画館が外苑の
中心的存在で、青山通り側の銀杏並木から絵画館を見た時
実際より遠く見えるよう、建物近くは低い木が植えられたとか。
設計は公開コンペで、大蔵省の技師の案が1等になりました。
大きな中央部から左右対称に低層部が広がるデザインは
国会議事堂によく似ていますが、議事堂の完成は昭和10年で
絵画館の方がそれより10年以上早くできているのです。
中に入ると中央ホールの荘重なデザインと27mという天井高に
驚かされます。絵画は嘉永5年の明治天皇の生誕から大正元年の
大喪の儀までの史実が80枚に描かれ、明治時代の歴史を振り返る
と共に大正期の素晴らしい建造物にも触れて、戸外の猛暑もひと時
忘れることができました。
ガイドブックより
テーマ名
ページ作成日 2020-08-15
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