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2024-05-27
この春、新聞に「江之浦アート×観光」という見出しで
「江之浦測候所」が紹介され、初めてこの施設のことを知り
すぐあとNHKの日曜美術館でも取り上げられていました。
世界的な写真家で現代美術作家の杉本博之氏が構想から20年
を費やして2017年に開所。箱根の外輪山を背にギャラリー棟
石舞台、茶室など敷地全体の設計も自ら行ったとのこと。
東海道線で小田原の2つ先の根府川駅で下車、送迎バスで
相模湾を見下ろしながら丘陵地を5,6分上がって行くと
眼下に真鶴半島の一部まで見渡せる駐車場がありそこで下車。
「甘橘山」の表示の脇から山道を登ると途中に「Stone age Café」
と刻まれたカフェが。テーブルとカウンター席は自然石を加工
したもので、この山で取れた柑橘の飲物がとても美味しい!
入口に着くと右側には「明月門」。室町時代に建てられた
鎌倉のお寺の門が関東大震災で半壊して都内に移築され、後に
根津美術館の正門として使われていたものが寄贈されたそうです。
そして右奥には長さ100mのギャラリーが。素晴らしい建築で
これは「夏至光遥拝ギャラリー」と名付けられ、先端部は
海に向かう持ち出しの展望スペースで、壁面は大谷石が積まれ
もう片方は全面ガラスで、屋根が片持ち梁のため柱は1本もなし。
夏至の朝、海から昇る太陽光がこの空間を数分間照らすのです!
また冬至の朝は「冬至光遥拝隧道」と名付けられたトンネルを
貫くのですが、この上部は絶好の撮影ポイントになっています。
最後になぜ「測候所」なのか?このように建物の中心線を東に
延ばせば、夏至と冬至の日に水平線から昇る太陽の位置に合致する
ように設計されているところから来たのでしょう。
テーマ名
ページ作成日 2024-05-27
2024-03-13
「近現代建築のウォーキング視察会」に参加しました。
これは世界的建築家が共演して、新旧の名建築が立ち並ぶ
東京・銀座の街を見て歩こうという主旨の会です。
集合場所は昭和7年竣工の奥野ビル。設計者の川元良一は
震災復興を目指した同潤会の建設部長で、同時期に九段会館
も設計しています。昨年知り合いがここでミニコンサートを
行ったとき、私は初めて建物の中に入りました。
次は近くにある昭和5年築のヨネイビルに続いて、銀座1丁目
中央通りの貴金属店へ。外部のステンレス製の波型ルーバーを
施工した金属工事の会社の人も同行し、いかに難しい設計者の
要望を実現したかを解説してくれました。
ヨネイビル
アルティメイトダイヤモンド本店
そのあと4丁目に向い松屋銀座店に並ぶルイ・ヴィトンの
店舗へ。とても複雑な金属のファサードもこの会社の施工。
松屋とは別に見えますが実は同じ建物で、ヴィトンの要望で
あたかも違う建物のように設計した結果だったのです。
再び1丁目に向いマロニエ通りを入ったところがV88ビル。
11階までこれほどのカーブのステンレス外壁は見たことはなく
金属会社も施工可能かと悩みながら3次元データで製作すると
現場はピッタリ合って、信じられないほどだったとのこと。
4丁目の和光は昭和7年竣工。服部時計店の創業は明治14年、
設計者の渡辺仁は同時期に東京国立博物館も手掛け、モダニズム
の波に抗して重厚なネオ・ルネサンス様式を実現。これが今でも
銀座のランドマークの地位が揺るがない最大の要素でしょう。
解体前の三愛ビル
建築中の三愛ビル
なんと向かいの三愛ビルは、60年を経て老朽化という決まり
文句?で解体が始まっていました。建築のデザイン性が今では
特段ではないにしても、4丁目の定番が無くなるのは残念です。
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ページ作成日 2024-03-13
2024-02-27
都内で開催されているフランク・ロイド・ライト展
に立ち寄りました。驚いたのは平日の夕刻にも
かかわらず、整理券が発行され30分待ちだったこと!
日本でのライトの人気の元が、今は明治村にある
帝国ホテルの設計者ということだけでは理解できません。
明治村・帝国ホテル
私がライトの設計した建物を初めて現地で見たのは
約30年前、ロスアンゼルスの「ホリーホックハウス」。
名称のhollyhockとはタチオアイという植物の名で、
神殿風の外観、入口の廊下の天井高が低いこと、中の
大きな暖炉と日本の屏風の印象が強く残っています。
2回目は10年前に当社で企画したアメリカ不動産視察で
まず訪れたのがニューヨークのグッゲンハイム美術館。
内部は大きな吹き抜けがあり、それを取り巻くらせん状の
廊下が展示スペースとして一番上まで続くユニークなもの。
住宅設計が中心だったライトの晩年の傑作です。
次に行ったのがピッツバーグ郊外の「落水荘」。発注者の
カウフマンが別荘の設計を「滝を眺めて過ごしたい」と
要望して依頼したのに対し、ライトは滝の上に住居を構える
ことで実現。世界の名作住宅で抜きんでたものになりました。
2017年にはシカゴ郊外のライトの自宅と建築スタジオへ。
ここが彼の建築家人生の出発点で、プレーリースタイルという
ヨーロッパとは違うアメリカ独自のスタイルを考案しました。
今回の展示会を見て、いつか行ってみたいと思った建物が
ジョンソンワックス本社ビル。1936年、ライト69歳の
時の設計で、「落水荘」が完成した年です。彼が住宅で
表現した有機的な建築とは異なるモダンなオフィス空間を
80年以上前に手掛けたことは意外で、それが今でも現役として
存在しているのをこの眼で確かめてみたいです。
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ページ作成日 2024-02-27
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