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防災の日

最近は四季の感覚が薄らいだといわれるが
九月と聞くとやはり秋を感じる。蝉時雨が遠くなった。
長い夏休みと無縁になって何年もたつが
それでも八月から九月への変わり目はいつも感傷を誘う。

そんな感覚を埋めてくれるのが
進学路に戻ってくるランドセルの行列だ。
休みの間に日焼けした顔には
どうにか宿題を間に合わせた安堵もある。けだるさもある。
いつの時代も不変だ。

「暑さ寒さも彼岸まで」の言い伝えに従えば
もうしばらく残暑が続くだろうが、朝夕は随分過ごしやすくなった。

天地を熱くする人間への怒りなのか、ここ数日は
東海・関東を中心に記録的豪雨に見舞われている。

きのうは「二百十日」だった。
この時季は昔から強い風が吹きやすいと言われる。
八十五年前の九月一日、約十万五千人の死者・行方不明を出した
関東大震災も、強い南風によって火災が広がり、犠牲者が増えた。
その惨事を教訓とするため、きょうは「防災の日」とされている。

実りの秋は台風の季節でもある。甚大な被害をもたらし
気象庁が「伊勢湾」「室戸」などと命名している台風は
いずれも九月に襲来している。

地震列島の日本は、天変だけでなく地異も多い。
人間には天変地変に抗[あらが]う力はなくても、
れに備える知恵はある。
「防災の日」を機に、あらためて考えておきたい。

(M.N) 

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