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芥川賞

新人作家い与えられる「芥川賞」に個性的な2人が選ばれた。
芥川賞も時間の問題と前評判が高かったらしい朝吹真理子さん(26)と、
「万に一つも受賞の可能性はないと思っていた」と言う
西村賢太さん(43)。好対照な新星である。

作品の世界が違うのは当然だが、会見で与える印象、
さらに経歴も両者個性を放つ。文学一家で育った女子大学院生と、
複雑な家庭環境に育ち中学卒業後フリーターで生計を
立ててきた男性。その2作品を選んだ芥川賞は
話題作りがうまいのか懐が深いのか、とにかく目を引く
選出である。

折りしもこんなニュースが流れる。大学生の就職内定率過去最低。
まだ3割以上が未定で、大氷河期なる言葉も出始めた。
一方で婚活に疲れ果て、精神科外来を訪ねる「婚活うつ」の増加が
ささやかれる。そんな中だからなのか、受賞する2人の
こんな言葉が印象深い。作品への思いである。

「小説は読み手の『あなた』に向けた愛の小包」(朝吹真理子さん)、
「自分より駄目なやつがいるんだなという気持ちになってもらえれば」
(西村賢太さん)。どんな人を想定した言葉か分からないが、
消耗戦で疲弊しがちな時代。聞きようによっては、
元気出してと声援のように聞こえないだろうか。

一方の直木賞も木内昇さん(43)、道尾秀介さん(35)の
2人が受賞した。計4人の受賞は7年ぶりだ。
何かと話題の多い今回の受賞作、活字離れにくさびを打ち込めるか。

(M.N)

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