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2024-02-27
都内で開催されているフランク・ロイド・ライト展
に立ち寄りました。驚いたのは平日の夕刻にも
かかわらず、整理券が発行され30分待ちだったこと!
日本でのライトの人気の元が、今は明治村にある
帝国ホテルの設計者ということだけでは理解できません。
明治村・帝国ホテル
私がライトの設計した建物を初めて現地で見たのは
約30年前、ロスアンゼルスの「ホリーホックハウス」。
名称のhollyhockとはタチオアイという植物の名で、
神殿風の外観、入口の廊下の天井高が低いこと、中の
大きな暖炉と日本の屏風の印象が強く残っています。
2回目は10年前に当社で企画したアメリカ不動産視察で
まず訪れたのがニューヨークのグッゲンハイム美術館。
内部は大きな吹き抜けがあり、それを取り巻くらせん状の
廊下が展示スペースとして一番上まで続くユニークなもの。
住宅設計が中心だったライトの晩年の傑作です。
次に行ったのがピッツバーグ郊外の「落水荘」。発注者の
カウフマンが別荘の設計を「滝を眺めて過ごしたい」と
要望して依頼したのに対し、ライトは滝の上に住居を構える
ことで実現。世界の名作住宅で抜きんでたものになりました。
2017年にはシカゴ郊外のライトの自宅と建築スタジオへ。
ここが彼の建築家人生の出発点で、プレーリースタイルという
ヨーロッパとは違うアメリカ独自のスタイルを考案しました。
今回の展示会を見て、いつか行ってみたいと思った建物が
ジョンソンワックス本社ビル。1936年、ライト69歳の
時の設計で、「落水荘」が完成した年です。彼が住宅で
表現した有機的な建築とは異なるモダンなオフィス空間を
80年以上前に手掛けたことは意外で、それが今でも現役として
存在しているのをこの眼で確かめてみたいです。
テーマ名
ページ作成日 2024-02-27
2024-01-26
新聞の神奈川版に「山口蓬春と吉田五十八」の見出しと
「日本画家と建築家“同窓の誼”」のサブタイトル。
葉山の山口蓬春記念館についての記事でした。
日本画にも興味はあるのですが、近代数寄屋づくりの
第一人者、建築家の吉田五十八が改築を担当したとの
ことで、建物もぜひ見てみたいと先日訪問しました。
神奈川県立近代美術館
JR逗子駅からバスに乗り、海岸べりの神奈川県立
近代美術館の前で降り、一色海岸を望む小高い丘の
途中に建物が見えてきます。蓬春は昭和23年から
亡くなる46年までこの地で過ごしました。
戦前の世田谷の自宅は吉田五十八の設計で、昭和初期に
建てられたこの葉山の建物を購入したあと、再び五十八に
よって昭和28年に新画室などを増改築したのです。
山口蓬春は明治26年、北海道で生を受けました。大正4年
東京美術学校(現東京芸大)の西洋画科に入学、その後日本
画科に転じたのですが吉田五十八とは同級生だったそうです。
蓬春の作品を見ていると、マティスを思わせるような
対象物を黒線で囲んだ今まで違う作品があって、西洋画科
に在籍していたベースがあって生み出されたのかも。
解説を読むと戦後フランス絵画にも接近し、時代の感覚を
取り入れた新しい日本画を目指し、「蓬春モダニズム」と
呼ばれる独特の日本画の世界を創り出していった…。
吉田五十八も日本の伝統様式の数寄屋造りを独自に近代化し
日本の建築美を後世に伝えた建築家なので、この二人の
芸術家の作品を同時に体験できる素晴らしい記念館でした。
テーマ名
ページ作成日 2024-01-26
2023-12-25
年の瀬が迫った日曜日は昨年と同様美術館巡り。
今年はテレビで皇居三の丸尚蔵館のオープンが
報じられたのを見て、お堀端に的を絞りました。
皇居大手門
昭和天皇が崩御したあと、残された絵画などの美術品
が1989年に国に寄贈され、その収蔵庫として1993年
に皇居東御苑に建てられたのが三の丸尚蔵館でした。
平成に入り東御苑自体の入園者が増加するのに従って
尚蔵館の入館者も増えて手狭になり、建て替えが行われ
先月開館、2026年完成の第2期工事も始まっています。
皇居東御苑
さて皇居の大手門に着くと今までは見なかった
入場者の荷物チェックが行われていました。
門をくぐるとすぐ右に尚蔵館はあったのですが既に
予約でいっぱいで、内部の見学は次の機会に。
三の丸尚蔵館
そのあとお堀端を日比谷方向に戻って帝国劇場へ。この
建物名は“国際ビルジング“でオフィスも混在している複合ビル。
初代の帝劇は1911年の開場で、1966年には谷口吉郎の
設計により隣接の三菱地所の建物と共同ビル化されました。
この2代目は演劇・ミュージカルの聖地として有名ですが
私はまだここでの観劇のチャンスに恵まれません。
出光興産はここを本社とし、9階には創業者・出光佐三
の収集した美術品を展示するための美術館を設置。
収集は日本と東洋の古美術が中心でこの日は「青磁」の
特集でしたが、私の好きなジョルジュ・ルオーのコーナーも。
ジョルジュ・ルオーの絵画
中には茶室もあり、館内ロビーからは皇居外苑が一望
できる素晴らしい立地の建物も、体験できるのは再来年まで。
そのあと壊されて再開発…。残念ながら都内の昭和時代の
多くの名建築がたどる道を歩むようです。
テーマ名
ページ作成日 2023-12-25
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